心電図は心筋の活動電位の総和を体表から記録したもので、心臓の異常の診断に広く用いられています。

  1. P波
    • 心房の興奮を示す。
    • 右心房の興奮が始まり、続いて左心房が興奮することでP波が形成される。
    • 正常では幅は0.1秒(2.5コマ)ほど。
  2. QRS波
    • 心室の興奮を示す。
    • Q波は最初の下向きの波、R波は続く上向きの波、S波はR波の後の下向きの波。
    • 正常では幅は0.1秒(2.5コマ)ほど。
  3. T波
    • 心室の再分極を示す。
    • QRS波とT波の間隔は規則的である。
  4. PP間隔
    • 心房の興奮開始から次の心房の興奮開始までの間隔(洞周期)。
    • 洞房結節の信号発生の間隔に相当。
  5. PQ間隔
    • P波の開始からQRS波の開始までの間隔。
    • 心房の興奮開始から心室の興奮開始までの時間。
    • 正常では0.12〜0.2秒(5コマ)で、0.21秒以上は異常(PQ延長)。
  6. RR間隔
    • 心室興奮から次の心室興奮までの時間。
    • 心拍数の算出に用いられ、50回/分未満が徐脈、100回/分以上が頻脈。
    • 正常ではPP間隔とRR間隔はほぼ同じ。
  7. QT時間
    • QRS波の始まりからT波の終了まで。
    • 心室の興奮開始から再分極の終了までの時間。
    • RR間隔で補正して異常を判定する。

これらの波形を理解することで、心臓のリズムや異常を診断することができます。

 

▶ 参考)不整脈

2度房室ブロック:P波は正常で,後ろにQRS波が続くものと続かないものが混在しています。

3度房室ブロック完全房室ブロックとも言われます。
心房と心室の間に電気的な連絡がなく、P波とQRS波は無関係に発生します。徐脈により失神などが生じます。

心房細動:心房の拍数が全く不規則、かつ高頻度になるもので毎分400以上となります。血栓や塞栓を合併しやすくなります。

心室細動:心室筋が無秩序に興奮する状態。血液駆出は停止するので致命的な状態です。除細動が唯一の救命方法となります。

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