学習トップ理由で解く 臨床医学各論第8章 ▸ B. 関節疾患 / Q0643

理由で解く 臨床医学各論

Q0643 整形外科疾患

出典:鍼灸 第22回(2014) 問題68
問題
関節疾患について正しいのはどれか。
選択肢
1 関節拘縮の原因は関節包内の骨・軟骨にある。
2 変形性関節症は退行変性である。
3 関節リウマチの原因は細菌である。
4 関節強直の原因は関節包外の軟部組織にある。
解答
正解2(変形性関節症は退行変性である。)
解説
✗ 1. 誤り
関節拘縮の原因は関節包内の骨・軟骨にある。
関節拘縮の原因は関節包「外」の軟部組織(皮膚・筋肉・腱・靭帯・関節包など)の短縮・瘢痕化・癒着にある。「運動障害の原因が関節包外の軟部組織にある場合」を拘縮と定義している。本選択肢は拘縮と強直の記述が入れ替わった典型的なひっかけである。拘縮は軟部組織の問題であるため、リハビリテーションによる改善の余地がある。
✓ 2. 正しい
変形性関節症は退行変性である。
変形性関節症は関節軟骨の加齢に伴う退行変性(老化現象)が主病変であり、正しい記述である。関節の加齢現象、すなわち関節の退行変性によって関節構造の摩耗と増殖が混在して同時に起こる非炎症性、進行性疾患。軟骨の摩耗と骨棘などの増殖性変化が同時に進行するのが特徴である。
✗ 3. 誤り
関節リウマチの原因は細菌である。
関節リウマチは自己免疫疾患であり、細菌感染が原因ではない。自己抗体(リウマトイド因子やanti-CCP抗体)が関与し、滑膜に慢性炎症を生じて関節を破壊する。細菌が原因で関節炎を生じるのは化膿性関節炎(感染性関節炎)であり、関節リウマチとは明確に異なる疾患概念である。
✗ 4. 誤り
関節強直の原因は関節包外の軟部組織にある。
関節強直の原因は関節包「内」の関節を構成する骨や軟骨の癒合にある。「運動障害の原因が関節包内の関節を構成する骨や軟骨にある場合」を強直と定義している。骨性強直(完全強直)と線維性強直(不完全強直)に分類され、いずれも元の可動域に戻すことは困難である。
ポイント
  • 拘縮=関節包「外」の軟部組織が原因、強直=関節包「内」の骨・軟骨が原因。選択肢1と4を入れ替えたひっかけ問題は国試頻出パターンである
  • 変形性関節症は退行変性(非炎症性・進行性疾患)であり、軟骨の摩耗と骨棘形成が同時に進行する
  • 関節リウマチは自己免疫疾患であり、細菌感染が原因ではない。細菌が原因の関節炎は化膿性関節炎である
  • 重要用語: 拘縮(関節包外), 強直(関節包内), 退行変性, 自己免疫疾患 を正確に理解しておくこと。
比較表
用語 原因部位 具体的な原因 改善可能性
拘縮 関節包外の軟部組織 皮膚・筋・腱・靭帯の短縮・癒着 リハビリで改善の余地あり
強直 関節包内の骨・軟骨 骨性癒合・線維性癒合 元に戻すことは困難
解説画像
鍼灸 第22回(2014) 問題68|関節疾患について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第22回(2014) 問題68|関節疾患について正しいのはどれか。
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