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理由で解く 臨床医学各論

Q0644 整形外科疾患

出典:鍼灸 第22回(2014) 問題79
問題
「58歳の女性。数年前から左手の第4指の近位指節間関節の腫脹に気がついた。特に疼痛はなかったが、今年になって右手の第4指近位指節間関節の腫脹もみられるようになった。」本疾患について適切でないのはどれか。
選択肢
1 女性に多い。
2 家族歴がある。
3 皮下結節がみられる。
4 骨棘形成がみられる。
解答
正解3,4 (複数の正答がある問題)
解説
✗ 1.
女性に多い。
✗ 正しい。変形性関節症(ブシャール結節)は中高年の女性に圧倒的に多く、この記述は適切である。40歳以上の女性に多く、性差は1:10程度。女性ホルモンの減少との関連が示唆されており、閉経後の女性に特に多い。
✗ 2.
家族歴がある。
✗ 正しい。変形性関節症(ヘバーデン結節・ブシャール結節)には遺伝的要因が認められることがあり、家族歴がみられるのは適切な記述である。遺伝性の証明される例もある。母親にヘバーデン結節があると娘にも発症しやすい傾向がある。
✓ 3. 誤り
皮下結節がみられる。
皮下結節(リウマトイド結節)は関節リウマチに特徴的な関節外症状であり、変形性関節症であるブシャール結節ではみられない。リウマトイド結節は肘頭部・後頭部・仙骨部など圧迫のかかる部位に好発する硬い皮下結節であり、関節リウマチの約20〜30%にみられる。変形性関節症とは病態が根本的に異なる。
✓ 4. 誤り
骨棘形成がみられる。
しかし、出題上は複数正解(3,4)として扱われている。出題意図としては選択肢3が最も明確な「不適切な記述」である。
ポイント
  • PIP関節の骨性腫脹=ブシャール結節(変形性関節症)と診断する。本症例は58歳女性のPIP関節腫脹であり典型的である
  • 皮下結節(リウマトイド結節)は関節リウマチの所見であり、変形性関節症ではみられない。これが最も明確な不適切記述である
  • ブシャール結節と関節リウマチのPIP関節炎は鑑別が重要。朝のこわばり・対称性・リウマトイド因子の有無で鑑別する
  • 変形性関節症は女性に多く、遺伝的素因も認められる
  • 重要用語: ブシャール結節(PIP関節), リウマトイド結節, 変形性関節症と関節リウマチの鑑別 を正確に理解しておくこと。
比較表
鑑別点 ブシャール結節(変形性関節症) 関節リウマチ
罹患関節 PIP関節 PIP・MCP・手関節
腫脹の性質 骨性(硬い) 軟部組織性(柔らかい)
朝のこわばり なし又は短時間 1時間以上持続
皮下結節 なし リウマトイド結節あり
対称性 必ずしも対称でない 対称性が特徴
リウマトイド因子 陰性 陽性(約80%)
解説画像
鍼灸 第22回(2014) 問題79|「58歳の女性。数年前から左手の第4指の近位指節間関節の腫脹に気がついた。特に疼痛はなかったが、今年になって右手の第4指近位指節間関節の腫脹もみられるようになった。」本疾患について適切でないのはどれか。 解説図
鍼灸 第22回(2014) 問題79|「58歳の女性。数年前から左手の第4指の近位指節間関節の腫脹に気がついた。特に疼痛はなかったが、今年になって右手の第4指近位指節間関節の腫脹もみられるようになった。」本疾患について適切でないのはどれか。
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