学習トップ理由で解く 臨床医学各論第8章 ▸ B. 関節疾患 / Q0645

理由で解く 臨床医学各論

Q0645 整形外科疾患

出典:鍼灸 第22回(2014) 問題80
問題
「58歳の女性。数年前から左手の第4指の近位指節間関節の腫脹に気がついた。特に疼痛はなかったが、今年になって右手の第4指近位指節間関節の腫脹もみられるようになった。」本患者の治療で有効なのはどれか。
選択肢
1 非ステロイド系抗炎症薬
2 カルシトニン
3 ビタミン D 製剤
4 ビタミン B6
解答
正解1(非ステロイド系抗炎症薬)
解説
✓ 1. 正しい
非ステロイド系抗炎症薬
PIP関節の変形性関節症(ブシャール結節)に対しては非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)が疼痛軽減と消炎に有効である。変形性関節症の薬物療法では鎮痛薬の内服頓用と外用が基本であり、NSAIDsはその中心的な薬剤となる。「鎮痛薬の内服頓用と外用」が治療として挙げられている。内服だけでなく外用薬(湿布・塗り薬)も日常的に使用される。
✗ 2. 誤り
カルシトニン
カルシトニンは骨吸収を抑制するホルモン製剤であり、骨粗鬆症に伴う疼痛緩和に用いられることがある。破骨細胞の活性を抑制し骨吸収を低下させる作用を持つが、変形性関節症の治療薬としては適応がない。変形性関節症の病態は関節軟骨の退行変性であり、骨代謝の異常ではない。
✗ 3. 誤り
ビタミン D 製剤
ビタミンD製剤(活性型ビタミンD3)は骨粗鬆症やくる病・骨軟化症の治療に用いられる。腸管からのカルシウム吸収を促進し、骨の石灰化を促進する作用を持つが、変形性関節症の軟骨変性に対する治療効果はなく、適応がない。
✗ 4. 誤り
ビタミン B6
ビタミンB6(ピリドキシン)は末梢神経障害の治療補助として用いられることがある。手根管症候群や末梢性神経炎などに対してビタミンB群製剤が処方されることがあるが、変形性関節症の治療薬としては適応がない。
ポイント
  • 変形性関節症の薬物療法はNSAIDsの内服頓用と外用が基本である。根治的治療ではなく、対症療法として疼痛と炎症を管理する
  • カルシトニン・ビタミンD製剤は骨粗鬆症の治療薬であり、変形性関節症には適応がない。骨代謝疾患と関節疾患の薬剤を混同しないこと
  • ビタミンB6は末梢神経障害の補助薬であり、変形性関節症とは無関係である
  • 各薬剤の適応疾患を正確に区別し、疾患と薬剤の対応関係を整理しておくことが重要である
  • 重要用語: NSAIDs, 変形性関節症の薬物療法, カルシトニン(骨粗鬆症), ビタミンD(骨粗鬆症) を正確に理解しておくこと。
比較表
薬剤 主な適応疾患 変形性関節症への適応
NSAIDs 変形性関節症・各種炎症性疾患 あり(第一選択)
カルシトニン 骨粗鬆症 なし
ビタミンD製剤 骨粗鬆症・くる病・骨軟化症 なし
ビタミンB6 末梢神経障害 なし
解説画像
鍼灸 第22回(2014) 問題80|「58歳の女性。数年前から左手の第4指の近位指節間関節の腫脹に気がついた。特に疼痛はなかったが、今年になって右手の第4指近位指節間関節の腫脹もみられるようになった。」本患者の治療で有効なのはどれか。 解説図
鍼灸 第22回(2014) 問題80|「58歳の女性。数年前から左手の第4指の近位指節間関節の腫脹に気がついた。特に疼痛はなかったが、今年になって右手の第4指近位指節間関節の腫脹もみられるようになった。」本患者の治療で有効なのはどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 臨床医学各論
App Store入手