学習トップ理由で解く 臨床医学各論第8章 ▸ B. 関節疾患 / Q0646

理由で解く 臨床医学各論

Q0646 整形外科疾患

出典:あマ指 第24回(2016) 問題61
問題
肩関節周囲炎について正しいのはどれか。
選択肢
1 原因は外傷が多い。
2 肩関節可動域制限はない。
3 安静時の疼痛が特徴である。
4 腱板の変性が認められる。
解答
正解4(腱板の変性が認められる。)
解説
✗ 1. 誤り
原因は外傷が多い。
肩関節周囲炎(五十肩)の原因は加齢に伴う肩関節周囲軟部組織の退行変性であり、外傷が原因ではない。肩関節周囲軟部組織の加齢による退行変性を基盤に炎症性病変を生じた症候群。明らかな誘因なく発症するのが特徴であり、外傷が原因の場合は腱板断裂や肩関節脱臼など他の疾患を考える。
✗ 2. 誤り
肩関節可動域制限はない。
肩関節周囲炎では関節包の拘縮により早期から著明な可動域制限がみられる。発症の比較的早期の段階においても拘縮を認める。結帯動作(手を背中に回す)・結髪動作(手を頭の後ろに回す)の制限が典型的である。逆に、可動域制限がない場合には腱板断裂を疑うべき重要な鑑別ポイントとなる。
✗ 3. 誤り
安静時の疼痛が特徴である。
肩関節周囲炎の特徴的な疼痛パターンは夜間痛であり、「安静時の疼痛」が主たる特徴ではない。疼痛は寒冷によって増悪し、また、夜間に強くなる傾向がある。寒冷刺激での増悪も特徴的であり、冬季に症状が悪化しやすい。運動時痛(特に回旋運動時)も認められるが、安静時疼痛が主体の疾患ではない。
✓ 4. 正しい
腱板の変性が認められる。
肩関節周囲炎の病態基盤は腱板(回旋筋腱板)の退行変性である。肩関節周囲軟部組織の加齢による退行変性を基盤に炎症性病変を生じた症候群。腱板を構成する4つの筋(棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋)の腱が加齢により変性し、これに炎症が加わって発症する。腱板炎は五十肩に含まれる病態の中で最も頻度が高い(約31%)。
ポイント
  • 肩関節周囲炎の原因は退行変性であり外傷ではない。明らかな誘因なく発症するのが特徴である
  • 早期からの可動域制限(拘縮)が特徴であり、結帯・結髪動作の制限で気づかれることが多い。拘縮がなければ腱板断裂を鑑別する
  • 疼痛は夜間痛・寒冷時増悪が特徴であり、安静時痛が主体の疾患ではない
  • 腱板(棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋)の退行変性が病態の基盤であり、腱板炎が五十肩の最多病態である
  • 重要用語: 肩関節周囲炎(五十肩), 腱板の退行変性, 夜間痛, 結帯・結髪動作制限 を正確に理解しておくこと。
比較表
肩関節周囲炎の特徴 正しい内容 誤りやすいポイント
原因 退行変性(加齢) 外傷ではない
可動域 早期から制限あり 制限なしは腱板断裂を疑う
疼痛パターン 夜間痛・寒冷時増悪 安静時痛が主ではない
病態基盤 腱板の変性 腱板炎が最多の病態
好発年齢 40〜60代(50代がピーク) 70代ではない
予後 自然治癒傾向あり 数か月〜1年程度で改善
解説画像
あマ指 第24回(2016) 問題61|肩関節周囲炎について正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第24回(2016) 問題61|肩関節周囲炎について正しいのはどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 臨床医学各論
App Store入手