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理由で解く 臨床医学各論

Q0647 整形外科疾患

出典:鍼灸 第25回(2017) 問題56
問題
ピロリン酸カルシウムが原因であるのはどれか。
選択肢
1 偽痛風
2 関節リウマチ
3 肩関節周囲炎
4 変形性股関節症
解答
正解1(偽痛風)
解説
✓ 1. 正しい
偽痛風
偽痛風はピロリン酸カルシウム二水和物(CPPD)結晶が関節内に沈着して急性関節炎を引き起こす疾患であり、CPPD沈着症とも呼ばれる。膝関節に好発し、高齢者に多い。痛風(尿酸ナトリウム結晶が原因)と症状が類似するため「偽痛風」と呼ばれるが、原因結晶が異なる。X線上、半月板や関節軟骨の石灰化像(軟骨石灰化症:chondrocalcinosis)が特徴的である。
✗ 2. 誤り
関節リウマチ
関節リウマチは自己免疫疾患であり、滑膜に対する自己免疫反応が原因で慢性多関節炎を生じる。結晶沈着は関係しない。抗CCP抗体やリウマトイド因子が診断に有用であり、手指のMP・PIP関節に対称性に発症する点が特徴である。
✗ 3. 誤り
肩関節周囲炎
肩関節周囲炎(五十肩)は腱板・関節包・滑液包の退行変性が基盤となる疾患であり、ピロリン酸カルシウム結晶の沈着が主因ではない。なお、石灰沈着性腱板炎ではハイドロキシアパタイト結晶の沈着がみられるが、これはピロリン酸カルシウムとは異なる結晶である。
✗ 4. 誤り
変形性股関節症
変形性股関節症は関節軟骨の摩耗・変性が原因であり、結晶沈着は直接の原因ではない。日本では先天性股関節脱臼や臼蓋形成不全に続発する二次性が多く、加齢や肥満も危険因子となる。
ポイント
  • 偽痛風=ピロリン酸カルシウム結晶(CPPD)、痛風=尿酸ナトリウム結晶と区別する
  • 偽痛風は膝関節に好発し、高齢者に多い。X線で半月板石灰化が特徴的である
  • 石灰沈着性腱板炎はハイドロキシアパタイト結晶であり、偽痛風とは異なる結晶沈着症である
  • 偏光顕微鏡所見も鑑別に重要:偽痛風=弱陽性複屈折、痛風=強陰性複屈折
  • 重要用語: 偽痛風, ピロリン酸カルシウム, CPPD沈着症, 軟骨石灰化症 を正確に理解しておくこと。
比較表
結晶沈着性関節炎 原因結晶 好発部位 偏光顕微鏡所見
痛風 尿酸ナトリウム結晶 第1中足趾節関節(母趾) 強陰性複屈折
偽痛風 ピロリン酸カルシウム結晶 膝関節 弱陽性複屈折
石灰沈着性腱板炎 ハイドロキシアパタイト結晶 肩関節(腱板) 偏光顕微鏡で同定困難
解説画像
鍼灸 第25回(2017) 問題56|ピロリン酸カルシウムが原因であるのはどれか。 解説図
鍼灸 第25回(2017) 問題56|ピロリン酸カルシウムが原因であるのはどれか。
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