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理由で解く 臨床医学各論

Q0642 整形外科疾患

出典:鍼灸 第22回(2014) 問題60
問題
徴候と疾患との組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 ティネル徴候陽性 ― 総腓骨神経麻痺
2 ペインフルアーク徴候陽性 ― 胸郭出口症候群
3 トレンデレンブルグ徴候陽性 ― 腰椎椎間板ヘルニア
4 アリス徴候陽性 ― 変形性膝関節症
解答
正解1(ティネル徴候陽性 ――――――― 総腓骨神経麻痺)
解説
✓ 1. 正しい
ティネル徴候陽性 ― 総腓骨神経麻痺
ティネル徴候は末梢神経の障害部位を叩打すると、その神経の支配領域に放散痛やしびれが生じる所見である。総腓骨神経麻痺では腓骨頭部を叩打するとティネル徴候が陽性となり、下腿外側から足背にかけてのしびれや放散痛が出現する。手根管症候群では手関節掌側の叩打で正中神経領域に陽性となるなど、末梢神経障害全般の局在診断に用いられる重要な検査法である。
✗ 2. 誤り
ペインフルアーク徴候陽性 ― 胸郭出口症候群
ペインフルアーク徴候(有痛弧徴候)は肩関節の外転60〜120度の範囲で疼痛が誘発される所見であり、腱板断裂(損傷)を示唆する。胸郭出口症候群の検査法ではない。胸郭出口症候群にはアドソンテスト(斜角筋圧迫)、ライトテスト(過外転テスト)、エデンテスト(肋鎖間圧迫)などの独自の誘発試験が用いられる。
✗ 3. 誤り
トレンデレンブルグ徴候陽性 ― 腰椎椎間板ヘルニア
トレンデレンブルグ徴候は股関節外転筋(中殿筋)の機能低下を示す所見であり、変形性股関節症や先天性股関節脱臼でみられる。腰椎椎間板ヘルニアの検査法ではない。腰椎椎間板ヘルニアではSLRテスト(ラセーグテスト)やFNSテスト(大腿神経伸展テスト)が代表的な誘発試験である。
✗ 4. 誤り
アリス徴候陽性 ― 変形性膝関節症
アリス徴候は先天性股関節脱臼の乳児期の所見であり、仰臥位で両股関節・膝関節を90度屈曲して両膝を立てた際に、脱臼側の膝の高さが健側より低くなる所見である。大腿骨頭が後上方に転位しているために大腿の長さが短縮していることを反映する。変形性膝関節症とは関連がない。
ポイント
  • ティネル徴候は末梢神経障害の局在診断に用いる叩打テストであり、総腓骨神経麻痺では腓骨頭部の叩打で陽性となる
  • ペインフルアーク徴候は腱板断裂を示唆する所見であり、胸郭出口症候群とは無関係である。胸郭出口症候群にはアドソン・ライト・エデンテストを用いる
  • トレンデレンブルグ徴候は中殿筋機能低下を示す所見であり、股関節疾患でみられる。腰椎椎間板ヘルニアにはSLRテストを用いる
  • アリス徴候は先天性股関節脱臼の乳児期所見であり、変形性膝関節症とは無関係である
  • 重要用語: ティネル徴候, ペインフルアーク徴候, トレンデレンブルグ徴候, アリス徴候 を正確に理解しておくこと。
比較表
徴候 正しい関連疾患 検査方法
ティネル徴候 末梢神経障害(総腓骨神経麻痺・手根管症候群等) 神経障害部位の叩打
ペインフルアーク徴候 腱板断裂(損傷) 肩外転60〜120度での疼痛
トレンデレンブルグ徴候 変形性股関節症・先天性股関節脱臼 患側片脚立ちで骨盤傾斜
アリス徴候 先天性股関節脱臼 立て膝での膝高差
解説画像
鍼灸 第22回(2014) 問題60|徴候と疾患との組合せで正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第22回(2014) 問題60|徴候と疾患との組合せで正しいのはどれか。
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