
この図の解説
図は脳を下からのぞいた脳底部で、前方の前頭葉から後方の小脳まで、12対の脳神経が脳に付着する位置がひと目でわかる。まず正中を後方へたどると、嗅球・嗅索から視神経・視交叉、下垂体・乳頭体と続き、その奥に大脳脚・橋・延髄という脳幹が縦に並ぶ。延髄前面には正中を挟んで縦長の錐体が盛り上がり、その下端で錐体交叉、外側にオリーブが見える。右上の表が最重要で、脳神経の出る部位を上から順に「大脳=I嗅神経/間脳=II視神経/中脳=III動眼・IV滑車/橋=V三叉・VI外転・VII顔面・VIII内耳/延髄=IX舌咽・X迷走・XI副・XII舌下」と対応させている。橋の外側から太い三叉神経(半月神経節・運動根)が出る点も図で確認できる。
学習の要点
- 脳神経の付着部位は前から順に、I=大脳(終脳)、II=間脳、III・IV=中脳、V〜VIII=橋、IX〜XII=延髄と5区分に整理できる。
- 覚え方のコツ:「1大脳・2間脳・34中脳・5678橋・9101112延髄」と番号のかたまりで唱える。橋に4本、延髄に4本が集まる。
- 関連知識: 延髄前面の錐体には随意運動を下す錐体路が通り、その80%が下端の錐体交叉で対側へ渡る。外側のオリーブはオリーブ核を入れ錐体外路に関与する。
- よくある間違い: 滑車神経(IV)は「中脳から出るが唯一、脳幹の背面(後面)から出る」神経。腹側から出ると誤りやすい。
- 臨床応用: IX・X・XIは頸静脈孔を一緒に通るため、この部の腫瘍では嚥下障害・嗄声・胸鎖乳突筋麻痺が同時に起こる(頸静脈孔症候群)。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
延髄前面で正中を挟んで縦に走る隆起を( A )といい、その外側にある楕円形の隆起を( B )という。AとBに入る語を答えよ。
答えを見る
答え: A=錐体、B=オリーブ
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。