学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ I. 脳神経 / Q0609

理由で解く 解剖学

Q0609 神経系

出典:あマ指 第28回(2020) 問題25
問題
脳神経で運動性の神経線維をもつのはどれか。
選択肢
1 嗅神経
2 視神経
3 内耳神経
4 舌咽神経
解答
正解4(舌咽神経)
解説
✗ 1. 誤り
嗅神経
嗅神経(I)は鼻腔上部の嗅上皮にある嗅細胞が中枢側に伸ばす軸索の集まりで、嗅覚情報のみを伝える純粋感覚神経である。運動線維や副交感線維は含まない。I・II・VIII が脳神経のうち「純粋感覚神経」のグループ。
✗ 2. 誤り
視神経
視神経(II)は網膜神経節細胞の軸索が束ねられたもので、視覚情報のみを伝える純粋感覚神経。発生学的には脳の突出部であり、末梢神経ではなく中枢神経の一部とみなされる。運動線維は含まない。
✗ 3. 誤り
内耳神経
内耳神経(VIII)は蝸牛神経(聴覚)と前庭神経(平衡覚)からなる純粋感覚神経で、運動線維は含まない。内耳孔を通り橋の下縁から脳に入る。I・II と並んで特殊感覚専用の神経である。
✓ 4. 正しい
舌咽神経
舌咽神経(IX)は感覚性(舌後1/3の味覚・一般感覚、咽頭粘膜感覚、頸動脈小体からの化学受容)・運動性(茎突咽頭筋を支配し嚥下運動に関与)・副交感性(耳神経節を経由して耳下腺の分泌を支配)の3系統を併せ持つ混合神経である。運動線維は延髄の疑核を起始核とし、頸静脈孔を通って茎突咽頭筋に到達する。咽頭反射の求心路(感覚)と遠心路(運動)の両方を担う神経で、反射消失は IX-X の機能評価指標になる。混合神経=V・VII・IX・X の4つで、選択肢で該当するのは IX のみ。
ポイント
  • 純粋感覚神経は I・II・VIII の3つ。それ以外の9対はいずれも運動性を持つ。
  • 覚え方のコツ: 「感覚3つ=I・II・VIII」「運動のみ=III・IV・VI・XI・XII の5つ」「混合=V・VII・IX・X の4つ」。この3グループ分けで暗記。
  • 関連知識: IX は運動性に茎突咽頭筋を、X は咽頭筋・喉頭筋(反回神経)を担う。嚥下・発声の要となる「IX+X」セットで機能を整理する。
  • よくある間違い: 内耳神経(VIII)を「感覚+運動」と誤認しやすい。内耳には有毛細胞があるが遠心性調節は中枢からの下行線維で別系統。脳神経 VIII 自体は感覚専用。
  • 臨床応用: 延髄外側症候群(ワレンベルク症候群)では IX・X 障害による嚥下困難・嗄声・咽頭反射消失と、対側の体幹痛温覚障害が同時に起こる。
比較表
分類 脳神経
純粋感覚 I 嗅・II 視・VIII 内耳
純粋運動 III 動眼・IV 滑車・VI 外転・XI 副・XII 舌下
混合 V 三叉・VII 顔面・IX 舌咽・X 迷走
副交感を含む III・VII・IX・X
解説画像
あマ指 第28回(2020) 問題25|脳神経で運動性の神経線維をもつのはどれか。 解説図
あマ指 第28回(2020) 問題25|脳神経で運動性の神経線維をもつのはどれか。
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