学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ I. 脳神経 / Q0610

理由で解く 解剖学

Q0610 神経系

出典:鍼灸 第29回(2021) 問題23
問題
脳神経で瞳孔を縮小させるのはどれか。
選択肢
1 視神経
2 動眼神経
3 滑車神経
4 外転神経
解答
正解2(動眼神経)
解説
✗ 1. 誤り
視神経
視神経(II)は対光反射の「求心路」を担うが瞳孔を縮小させる運動線維は持たない純粋感覚神経である。網膜に光が入ると II で信号を中枢に伝え、中脳の動眼神経副核を介して III の副交感線維が収縮を起こす、という経路の入口に位置する。
✓ 2. 正しい
動眼神経
動眼神経(III)の副交感線維は中脳の動眼神経副核(エディンガー・ヴェストファル核)から起始し、眼窩内の毛様体神経節で節後線維に交代したのち短毛様神経となって「瞳孔括約筋」に分布し、収縮させて縮瞳を起こす。対光反射は II(求心)→視索→中脳蓋前域→両側エディンガー・ヴェストファル核→III(遠心)→毛様体神経節→瞳孔括約筋という経路をとり、片眼への光刺激で両眼が縮瞳する(直接対光反射+間接対光反射)。近見反射でも同経路が働く。散瞳は上頸神経節を介する交感神経が瞳孔散大筋を収縮させることで起こり、III は関与しない。
✗ 3. 誤り
滑車神経
滑車神経(IV)は上斜筋のみを支配する純粋運動神経で、瞳孔括約筋とは関係しない。副交感線維を持たないため縮瞳作用もない。
✗ 4. 誤り
外転神経
外転神経(VI)は外側直筋のみを支配する純粋運動神経で、副交感を持たないため縮瞳には関与しない。外転神経麻痺では瞳孔は正常のまま、眼位のみ内斜視となる。
ポイント
  • 縮瞳は動眼神経(III)の副交感線維が瞳孔括約筋を収縮させて起こす。散瞳は交感神経が瞳孔散大筋を収縮させて起こす逆の作用。
  • 覚え方のコツ: 対光反射は「II 入力・III 出力」。縮瞳は III、散瞳は交感(上頸神経節)と覚える。
  • 関連知識: 対光反射は両側性で、片眼への光で両眼縮瞳(直接+間接)。近見反射では縮瞳+輻輳+水晶体膨化の3徴候が同時に起こる。
  • よくある間違い: 視神経を「縮瞳の神経」と誤答しがち。II は求心路(センサー)で、実行役は III である。
  • 臨床応用: アーガイル・ロバートソン瞳孔は神経梅毒で見られる「対光反射消失・近見反射保持」の解離現象で、中脳蓋前域選択性病変を示唆する。ホルネル症候群(交感障害)では縮瞳+眼瞼下垂+発汗低下が同側に揃う。
比較表
作用 担当神経
縮瞳 III(副交感) 瞳孔括約筋
散瞳 交感(上頸神経節) 瞳孔散大筋
調節(近見) III(副交感) 毛様体筋
対光反射求心路 II (感覚入力)
解説画像
鍼灸 第29回(2021) 問題23|脳神経で瞳孔を縮小させるのはどれか。 解説図
鍼灸 第29回(2021) 問題23|脳神経で瞳孔を縮小させるのはどれか。
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