学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ F. 大脳 / Q0534

理由で解く 解剖学

Q0534 神経系

出典:鍼灸 第29回(2021) 問題22
問題
脳の部位と存在するものとの組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 大脳頭頂葉ーーー運動野
2 間 脳ーーー被 蓋
3 中 脳ーーー内側膝状体
4 小 脳ーーー虫 部
解答
正解4(小 脳ーーー虫 部)
解説
✗ 1. 誤り
大脳頭頂葉ーーー運動野
運動野(一次運動野)は大脳頭頂葉ではなく「前頭葉」の中心前回(ブロードマン4野)に存在する。頭頂葉にあるのは一次体性感覚野(中心後回)で、中心溝を挟んで運動野と対を成す位置関係になる。
✗ 2. 誤り
間 脳ーーー被 蓋
被蓋は「中脳」の黒質より背側の領域を指す語で、間脳にあるものではない。間脳は視床・視床上部・視床下部・視床後部(外側・内側膝状体)から成り、被蓋という区分はない。
✗ 3. 誤り
中 脳ーーー内側膝状体
内側膝状体は「間脳」の視床後部に属する聴覚中継核であり、中脳ではない。中脳の背側(四丘体)には上丘(視覚反射)・下丘(聴覚中継)があり、下丘からの線維が内側膝状体へ向かう。同様に外側膝状体も視床後部(間脳)に属する。
✓ 4. 正しい
小 脳ーーー虫 部
虫部は小脳の正中部に位置する細長い隆起で、左右の小脳半球の間を矢状方向に走る。小脳は解剖学的に虫部と左右の小脳半球に区分され、さらに系統発生的に原小脳(片葉小節葉、主に前庭との連絡)・古小脳(前葉、脊髄からの入力で姿勢・筋トーヌス)・新小脳(後葉、大脳皮質とのループで巧緻運動の協調)に分類される。虫部は特に体幹・姿勢の制御に関わり、虫部障害では体幹失調(酩酊歩行・開脚歩行)を呈する。よって『小脳―虫部』は正しい組合せである。
ポイント
  • 脳部位と構造の対応:大脳前頭葉=運動野、大脳頭頂葉=体性感覚野、間脳=視床・膝状体、中脳=被蓋・大脳脚・四丘体、小脳=虫部・半球。
  • 覚え方のコツ: 「被蓋は中脳、膝状体は間脳、虫部は小脳」と部位名と所属を連呼して覚える。小脳は『虫+左右半球』、中脳は『被蓋+大脳脚+四丘体』。
  • 関連知識: 小脳は系統発生的に原小脳(片葉小節葉)・古小脳(前葉)・新小脳(後葉)に分けられる。虫部は体幹・姿勢、半球外側部は巧緻運動を担当。
  • よくある間違い: 被蓋を間脳と誤る/膝状体を中脳と誤る/運動野を頭頂葉と誤る。脳幹の3区分(中脳・橋・延髄)と間脳・小脳との境界を図で確認する。
  • 臨床応用: 小脳虫部障害では体幹失調(起立・歩行障害)、小脳半球障害では四肢の測定障害・運動分解・企図振戦が出現する。脊髄小脳変性症・多系統萎縮症・小脳梗塞で見られる。
比較表
脳部位 含まれる主な構造
大脳前頭葉 一次運動野、ブローカ野、前頭前野
大脳頭頂葉 一次体性感覚野、味覚野
間脳 視床、視床下部、視床上部(松果体)、視床後部(外側・内側膝状体)
中脳 被蓋、大脳脚、四丘体(上丘・下丘)、黒質
橋底部、橋被蓋、三叉神経核
延髄 錐体、オリーブ核、孤束核、迷走神経背側核
小脳 虫部、左右の小脳半球、小脳核、片葉小節葉
解説画像
鍼灸 第29回(2021) 問題22|脳の部位と存在するものとの組合せで正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第29回(2021) 問題22|脳の部位と存在するものとの組合せで正しいのはどれか。
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