学習トップ理由で解く 解剖学第5章 ▸ A. 腎臓 / Q0376

理由で解く 解剖学

Q0376 泌尿器系

出典:鍼灸 第29回(2021) 問題21
問題
腎臓について正しいのはどれか。
選択肢
1 腎小体は髄質に散在する。
2 腎柱の先端を腎乳頭という。
3 集合管はネフロンを構成する。
4 足細胞は糸球体表面を取り囲んでいる。
解答
正解4(足細胞は糸球体表面を取り囲んでいる。)
解説
✗ 1. 誤り
腎小体は髄質に散在する。
「腎小体は髄質に散在する」は誤り。腎小体は表層の皮質および腎柱(皮質が髄質間に入り込んだ部分)に散在し、髄質(腎錐体の内部)には存在しない。髄質には主にヘンレループ・集合管・直行性の血管(直細血管)が走行する。
✗ 2. 誤り
腎柱の先端を腎乳頭という。
「腎柱の先端を腎乳頭という」は誤り。腎乳頭は「腎錐体」の先端であって、「腎柱」の先端ではない。腎柱は腎錐体と腎錐体の間に入り込んだ皮質の延長部分であり、その中を葉間動静脈が走る。腎錐体と腎柱を取り違えないよう注意する。
✗ 3. 誤り
集合管はネフロンを構成する。
「集合管はネフロンを構成する」は誤り。ネフロンは腎小体+尿細管の組合せで、集合管はこれに含まれない。集合管は複数のネフロンの遠位尿細管を受ける共通路で、発生学的にも尿管芽由来であり、後腎組織由来のネフロンとは起源が異なる。
✓ 4. 正しい
足細胞は糸球体表面を取り囲んでいる。
本選択肢が設問の正しい記述で、正答となる。足細胞(ポドサイト)はボウマン嚢の内葉(臓側上皮)を構成する特殊な細胞で、タコ状に伸びる一次突起からさらに細かな「足突起(二次突起)」を無数に伸ばし、これらが互いに指を組むように入り組んで糸球体毛細血管の外表面を隙間なく取り囲む。向かい合う足突起の間には幅20〜40nmの濾過細隙があり、そこにはスリット膜(ネフリン・ポドシンなどの膜蛋白で構成)が張られて分子ふるいとして働く。糸球体濾過膜は「血管内皮細胞の窓・基底膜・足細胞の濾過細隙」の3層からなり、足細胞はその最外層を形作り蛋白の透過を最終的に制限する重要な細胞である。
ポイント
  • 糸球体濾過膜=3層構造:①有窓血管内皮・②糸球体基底膜・③足細胞の濾過細隙(スリット膜)。足細胞は最外層で糸球体毛細血管を包む。
  • 覚え方のコツ: 足細胞=「タコの足」がサランラップのように糸球体を包むイメージ。濾過の門番はスリット膜。
  • 関連知識: ボウマン嚢は内葉(足細胞)と外葉(単層扁平上皮)の二重袋で、間の空間(ボウマン腔)に原尿が受け止められる。
  • よくある間違い: 腎小体を髄質と誤る/腎錐体と腎柱を取り違える/足細胞を血管内皮細胞と混同する。
  • 臨床応用: 微小変化型ネフローゼ症候群では足突起の消失(foot process effacement)が電顕の典型像。アルポート症候群は基底膜のⅣ型コラーゲン異常、膜性腎症は足突起下への免疫複合体沈着と、それぞれ濾過膜構成要素の障害部位が異なる。
比較表
糸球体濾過膜 構成 役割
最内層 有窓性血管内皮細胞 血球の通過阻止(直径70nmの窓)
中間層 糸球体基底膜(Ⅳ型コラーゲン) 陰性荷電による蛋白ふるい
最外層 足細胞の足突起+スリット膜 ネフリン・ポドシンで分子サイズ選択
解説画像
鍼灸 第29回(2021) 問題21|腎臓について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第29回(2021) 問題21|腎臓について正しいのはどれか。
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