学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ F. 小腸 / Q0305

理由で解く 解剖学

Q0305 消化器系

出典:鍼灸 第29回(2021) 問題20
問題
小腸について正しいのはどれか。
選択肢
1 上皮は内胚葉から分化する。
2 半月ヒダがある。
3 十二指腸空腸曲は腰椎の右にある。
4 回腸には腸間膜がない。
解答
正解1(上皮は内胚葉から分化する。)
解説
✓ 1. 正しい
上皮は内胚葉から分化する。
消化管の粘膜上皮(口腔・食道の一部と肛門管を除く)は発生学的に原腸の内胚葉から分化する。小腸の単層円柱上皮も内胚葉由来であり、粘膜固有層・筋層・漿膜はそれを取り巻く中胚葉由来の組織である。したがって「上皮は内胚葉から分化する」は正しく、本問の正解となる。胚葉と消化管各層の由来(内胚葉=粘膜上皮・消化腺実質、中胚葉=固有層・筋層・漿膜、神経堤=腸管神経系)の対応は頻出事項である。
✗ 2. 誤り
半月ヒダがある。
小腸の粘膜にあるのは輪状ヒダ(ケルクリングヒダ)であり、半月ヒダは大腸(結腸)にみられる半月状の粘膜ヒダである。両者の区別が頻出で、輪状ヒダは全周性・小腸/半月ヒダは結腸ヒモ間の半周性・大腸と覚える。
✗ 3. 誤り
十二指腸空腸曲は腰椎の右にある。
十二指腸空腸曲は第2腰椎の左側で十二指腸が空腸に移行する屈曲部で、トライツ靭帯(十二指腸提筋)により後腹壁に固定される。腰椎の「右」ではなく「左」側にあるため記述は誤り。左右を逆に覚えやすい注意点である。
✗ 4. 誤り
回腸には腸間膜がない。
回腸は空腸とともに腸間膜を持ち、腸間膜根で後腹壁に接続して腹腔内を可動する。「腸間膜がない」は誤りで、腸間膜を持たない小腸部位は十二指腸(球部以外)のみ。
ポイント
  • 消化管の粘膜上皮は口腔・食道上部と肛門管下部(外胚葉由来)を除いて内胚葉から分化する。
  • 覚え方のコツ: 消化管壁の4層と胚葉は「粘膜上皮=内胚葉/固有層・筋層・漿膜=中胚葉/神経叢=神経堤」。十二指腸空腸曲は「左」(Left)で覚える。
  • 関連知識: 前腸(咽頭〜十二指腸乳頭まで)は腹腔動脈、中腸(十二指腸乳頭〜横行結腸右2/3)は上腸間膜動脈、後腸(横行結腸左1/3〜直腸上部)は下腸間膜動脈で栄養される。
  • よくある間違い: 小腸に半月ヒダがあると誤認(半月ヒダは結腸)/十二指腸空腸曲を右側と誤覚/回腸に腸間膜がないと混同。
  • 臨床応用: 発生異常として卵黄腸管遺残のメッケル憩室は回腸末端で多く、消化管出血の原因となる。中腸の回転異常は新生児の腸回転異常症を来す。
比較表
消化管部位 輪状ヒダ 腸絨毛 パイエル板
十二指腸 下部で発達 あり まばら
空腸 最も発達 密生(高い) まばら
回腸 不規則・末端で消失 低くなる 多数(末端に密集)
結腸 ない(半月ヒダあり) ない(粘膜平滑) 孤立リンパ小節のみ
解説画像
鍼灸 第29回(2021) 問題20|小腸について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第29回(2021) 問題20|小腸について正しいのはどれか。
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