学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ F. 小腸 / Q0306

理由で解く 解剖学

Q0306 消化器系

出典:あマ指 第12回(2004) 問題25
問題
小腸にあって大腸にないのはどれか。
選択肢
1 輪走筋
2 縦走筋
3 輪状ひだ
4 腸間膜
解答
正解3(輪状ひだ)
解説
✗ 1.
輪走筋
✗ 正しい。 輪走筋は消化管壁の内輪層を形成する平滑筋で、食道から直腸まで全消化管に共通して存在する基本構造である。小腸だけでなく大腸の壁にも輪走筋はあり、くびれ収縮を起こして管内容を区切りながら混和する分節運動の主役を担う。
✗ 2.
縦走筋
✗ 正しい。 縦走筋も消化管壁の外縦層として全消化管に存在する。ただし大腸では縦走筋が一様に分布するのではなく、3本の帯状に集まって結腸ヒモ(独立ヒモ・間膜ヒモ・網ヒモ)を形成する点が小腸と異なる。つまり縦走筋自体の有無ではなく分布の様式が小腸と大腸で違うにすぎず、「大腸にない」わけではない。
✓ 3. 誤り
輪状ひだ
輪状ひだ(ケルクリングひだ)は、粘膜と粘膜下層が輪状に隆起してつくる幅3〜8mm・高さ5〜10mmの横走の皺で、小腸(十二指腸下行部〜回腸上部)にのみ存在し、大腸には認められない。輪状ひだは絨毛とともに小腸の表面積を増大させ、栄養素の吸収効率を高める役割を持つ。空腸で最も発達し、回腸末端に向かって次第に低くなる。大腸の内腔には輪状ひだに相当する構造はなく、代わりに結腸膨起(ハウストラ)の境界をつくる半月ヒダがあるのみで、吸収よりも水分と電解質の吸収・糞便形成を優先する構造となっている。したがって「小腸にあって大腸にないもの」として最も適切な解答が輪状ひだである。
✗ 4.
腸間膜
✗ 正しい。 腸間膜は小腸(空腸・回腸)を後腹壁から吊るす二重の腹膜で、同様の間膜が大腸にも存在する。横行結腸には横行結腸間膜、S状結腸にはS状結腸間膜、虫垂には虫垂間膜があり、これらを介して血管・リンパ管・神経が供給される。したがって「大腸にない」とは言えない。
ポイント
  • 輪状ひだ・絨毛・微絨毛は小腸特有の吸収面積拡大装置。大腸には輪状ひだ・絨毛はなく、代わりに結腸ヒモ・結腸膨起・腹膜垂という固有構造が3点セットとして備わる。
  • 覚え方のコツ: 「小腸=吸収のため凹凸(輪状ひだ+絨毛)/大腸=水分吸収と貯留のため凹凸(結腸ヒモ+ハウストラ)」と目的と構造を対比で記憶。
  • 関連知識: 輪状ひだは空腸で最大(高さ約8mm)、回腸末端で消失する。パイエル板は回腸に集中し、免疫機能を担う。
  • よくある間違い: 縦走筋を「大腸にない」と誤る(実際は帯状の結腸ヒモとして存在)/輪状ひだと結腸膨起の境界の半月ヒダを混同する。
  • 臨床応用: 小腸のX線造影で輪状ひだ(Kerckring襞)はケルクリング像として整然と並び、セリアック病では輪状ひだ消失・絨毛萎縮がみられる。大腸内視鏡では半月ヒダと結腸膨起が目印になる。
比較表
特徴 小腸 大腸
輪状ひだ(ケルクリング) あり(空腸で最大) なし
絨毛・微絨毛 あり なし
縦走筋の配置 全周均一 3本の結腸ヒモに集中
結腸膨起(ハウストラ) なし あり
腹膜垂 なし あり
腸間膜 空・回腸腸間膜 横行結腸間膜・S状結腸間膜など
解説画像
あマ指 第12回(2004) 問題25|小腸にあって大腸にないのはどれか。 解説図
あマ指 第12回(2004) 問題25|小腸にあって大腸にないのはどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手