学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ G. 大腸 / Q0307

理由で解く 解剖学

Q0307 消化器系

出典:鍼灸 第7回(1999) 問題22
問題
虫垂について正しい記述はどれか。
選択肢
1 リンパ小節が多い。
2 腸絨毛が発達している。
3 筋層を有しない。
4 腸腺を有しない。
解答
正解1(リンパ小節が多い。)
解説
✓ 1. 正しい
リンパ小節が多い。
虫垂は盲腸の後内側から突き出た指状の突起で、粘膜固有層から粘膜下組織にかけて豊富なリンパ小節が集簇し、壁の大部分をリンパ組織が占める。このため別名「腹部の扁桃」とも呼ばれ、腸管免疫に関与する二次リンパ組織としての性格を強く持つ。急性虫垂炎はこのリンパ組織の腫脹と内腔閉塞が引き金となって発症することが多い。
✗ 2. 誤り
腸絨毛が発達している。
腸絨毛が豊富に発達しているのは栄養吸収の主役である空腸・回腸である。虫垂の粘膜は腸絨毛をほとんど欠き、栄養吸収よりもリンパ組織を介した免疫機能が主体となる。
✗ 3. 誤り
筋層を有しない。
虫垂も消化管の一部であり、内輪・外縦の2層構造の平滑筋層をそなえている。ただし他の大腸と異なり結腸ヒモは虫垂根部に集合して完全な縦走筋層となっており、これを目印に手術では虫垂を同定する。
✗ 4. 誤り
腸腺を有しない。
虫垂の粘膜にも粘液を分泌する腸腺(リーベルキューン腺)が存在する。量は少ないものの、粘膜上皮には杯細胞も散在して粘液分泌を行い、粘膜面を湿潤に保っている。
ポイント
  • 虫垂は盲腸から突出する指状突起で、壁内に豊富なリンパ小節を持ち「腹部の扁桃」と呼ばれる。
  • 覚え方のコツ: 「虫垂=リンパ小節の塊」「吸収は空・回腸、免疫は虫垂」と役割分担で記憶。結腸ヒモは盲腸で虫垂根部に集合することも合わせて覚える。
  • 関連知識: 粘膜固有層の孤立リンパ小節が回腸では集合して集合リンパ小節(パイエル板)をつくる。虫垂は結腸の一部で、内輪・外縦の2層筋層と腸腺を有する。
  • よくある間違い: 虫垂に腸絨毛や筋層がないと誤解する/虫垂を小腸と混同する。虫垂は大腸(盲腸)の付属器で、吸収ではなく免疫機能が主体である。
  • 臨床応用: 急性虫垂炎はリンパ組織の腫脹や糞石による内腔閉塞が誘因となり、右下腹部のマックバーニー点の圧痛で知られる。穿孔すれば汎発性腹膜炎を起こすため早期手術が行われる。
比較表
消化管部位 リンパ小節 腸絨毛 主な機能
空腸 孤立リンパ小節 発達 栄養吸収の中心
回腸 集合リンパ小節(パイエル板) 発達 吸収+免疫
虫垂 非常に豊富 ほぼ欠如 免疫(腸管リンパ組織)
結腸 少数 なし 水分吸収・糞便形成
解説画像
鍼灸 第7回(1999) 問題22|虫垂について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第7回(1999) 問題22|虫垂について正しい記述はどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手