学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ J. 膵臓 / Q0345

理由で解く 解剖学

Q0345 消化器系

出典:鍼灸 第7回(1999) 問題23
問題
膵臓について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 膵管は十二指腸に開口する。
2 膵臓全体が腹膜に覆われる。
3 外分泌部は消化酵素を分泌する。
4 膵島はホルモンを分泌する。
解答
正解2(膵臓全体が腹膜に覆われる。)
解説
✗ 1.
膵管は十二指腸に開口する。
✗ 正しい。 本選択肢は事実として正しい記述で、本問の解答ではない。主膵管は膵臓の長軸に沿って走り、膵頭部で総胆管と合流してファーター乳頭(大十二指腸乳頭)に開口する。副膵管は小十二指腸乳頭に開口する。いずれも十二指腸への開口である。
✓ 2. 誤り
膵臓全体が腹膜に覆われる。
本選択肢は本問の「誤っている記述」であり解答に相当する。実際の膵臓は、十二指腸・上行結腸・下行結腸・腎臓などと同様に「腹膜後臓器(後腹膜臓器)」に分類され、前面のみが腹膜(腸間膜根・後腹壁腹膜)に覆われ、後面は直接後腹壁に張り付いて結合組織で固定されている。したがって「全体が腹膜に覆われる」のは誤りであり、全周を腹膜に包まれる腹膜内臓器(胃・空腸・回腸・横行結腸・S状結腸・肝臓・脾臓など)とは明確に区別される。
✗ 3.
外分泌部は消化酵素を分泌する。
✗ 正しい。 本選択肢は事実として正しい記述で、本問の解答ではない。膵外分泌部は腺房細胞が一列に並んで腺腔を球状に囲む構造をとり、ブドウの房状に連なる導管に膵液を分泌する。膵液にはトリプシン・キモトリプシン(蛋白分解)、膵アミラーゼ(糖質分解)、膵リパーゼ(脂肪分解)など三大栄養素の消化酵素がすべて含まれる。
✗ 4.
膵島はホルモンを分泌する。
✗ 正しい。 本選択肢は事実として正しい記述で、本問の解答ではない。膵島(ランゲルハンス島)は外分泌組織の中に散在する直径0.1〜0.3mmの内分泌細胞塊で、A(α)細胞がグルカゴン、B(β)細胞がインスリン、D(δ)細胞がソマトスタチンを血中に分泌し、血糖調節の中枢的役割を担う。
ポイント
  • 膵臓は後腹膜臓器であり前面のみが腹膜に覆われる。腹膜内臓器(胃・空腸・回腸・横行結腸・S状結腸・肝臓・脾臓)とは区別される。
  • 覚え方のコツ: 「SAD PUCKER(後腹膜臓器の英語語呂)」=S状結腸の根・Ascending colon・Duodenum(2-4部)・Pancreas・Ureter・Colon(Descending)・Kidney・Esophagus下部・Rectum。
  • 関連知識: 膵臓は外分泌(腺房=消化酵素)と内分泌(膵島=血糖調節ホルモン)の二重機能をもつ混合腺。十二指腸第2部後壁と癒合して固定される。
  • よくある間違い: 膵臓を腹膜内臓器と誤解/十二指腸全体を腹膜内と誤る(球部のみ腹膜内、2-4部は後腹膜)。
  • 臨床応用: 膵臓は後腹膜にあるため炎症(急性膵炎)では後背部痛を伴う。膵液漏は後腹膜腔に貯留し、腹膜炎症状は遅れて現れる。
比較表
分類 腹膜内臓器 腹膜後(後腹膜)臓器
腹膜の被覆 全周を臓側腹膜が包む 前面のみ腹膜、後面は後腹壁に固定
代表臓器 胃・空腸・回腸・横行結腸・S状結腸・肝臓・脾臓 十二指腸(球部除く)・膵臓・上行結腸・下行結腸・腎臓・副腎・尿管
可動性 間膜によりある程度自由に動く 固定されて可動性に乏しい
炎症の特徴 腹膜刺激症状が早期に出現 背部痛が前景、症状発現が遅れる
解説画像
鍼灸 第7回(1999) 問題23|膵臓について誤っている記述はどれか。 解説図
鍼灸 第7回(1999) 問題23|膵臓について誤っている記述はどれか。
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