
この図の解説
この図は左右の肺を内側面(縦隔面)から見たもので、左が右肺、右が左肺である。中央のくぼみが肺門で、ここを気管支・肺動脈・肺静脈が出入りし、加えて気管支動静脈・リンパ管・神経も通る。左肺の肺門を見ると、上から左肺動脈・左上肺静脈・左気管支が並び、下方に左下肺静脈が位置するのが読み取れる。内側面は心臓に接してくぼむため両肺に心圧痕がみられ、左肺では前縁が深くえぐれて心切痕をつくる。裂に注目すると、右肺は水平裂と斜裂で上・中・下葉の3葉に、左肺は斜裂のみで上・下葉の2葉に分かれる。肺門の周囲には隣接する血管や臓器がつくる溝が並び、右肺では奇静脈・上大静脈・食道・下大静脈による溝、左肺では大動脈弓・下行大動脈による溝が目印になる。肺門下方へ伸びる胸膜のヒダが肺間膜である。
学習の要点
- 肺門は内側面のほぼ中央にあるくぼみで、気管支・肺動脈・肺静脈が出入りする門である。
- 覚え方のコツ: 左肺門の縦の並びは上から「動脈→上静脈→気管支→下静脈」。左右差は「右は奇静脈・大静脈系の溝、左は大動脈系の溝」。
- 関連知識: 肺表面をおおう臓側胸膜は肺門で折れ返って壁側胸膜に移行し、その間に胸膜腔ができる(胸膜)。
- よくある間違い: 大動脈や上大静脈・奇静脈は肺門を通らず内側面に溝を残すだけ。心切痕は左肺だけにあり右肺にはない。
- 臨床応用: 肺門から分かれた区域気管支ごとに血管が独立するため、肺がんでは肺区域を単位とした区域切除術が可能(肺区域)。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
右肺は水平裂と( A )によって上・中・下葉の3葉に分かれ、左肺は( A )のみで上・下葉の2葉に分かれる。( A )に入る語を答えよ。
答えを見る
答え: 斜裂
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。