学習トップ理由で解く 解剖学第3章 ▸ C. 気管と気管支 / Q0242

理由で解く 解剖学

Q0242 呼吸器系

出典:あマ指 第31回(2023) 問題19
問題
気管支について正しいのはどれか。
選択肢
1 第3胸椎の高さで左右の気管支に分岐する。
2 右気管支の上を大動脈弓が横切る。
3 左気管支は2本の葉気管支に分岐する。
4 区域気管支は軟骨を欠く。
解答
正解3(左気管支は2本の葉気管支に分岐する。)
解説
✗ 1. 誤り
第3胸椎の高さで左右の気管支に分岐する。
気管分岐部(気管竜骨)は第4-5胸椎の高さにあり、体表では胸骨角に相当する。第3胸椎は気管分岐部より上方にあたり、まだ気管が分岐していない高さであるため不適である。気管起始部(C6)と分岐部(Th4-5)を同時に押さえるのがコツ。
✗ 2. 誤り
右気管支の上を大動脈弓が横切る。
大動脈弓は上行大動脈から続き、左前方から右後方へ弧を描きつつ左主気管支の上方を越えて下行大動脈に移行する。すなわち横切るのは「左主気管支の上」である。奇静脈が右主気管支の上を越えて上大静脈に注ぐ点と混同しやすい。本肢は左右を取り違えた記述である。
✓ 3. 正しい
左気管支は2本の葉気管支に分岐する。
左肺は心臓が左寄りに位置する関係で上葉・下葉の2葉から成る(右肺は上・中・下葉の3葉)。よって左主気管支は上葉気管支と下葉気管支の2本に分岐する。右主気管支は3本の葉気管支に分岐し、さらに各葉気管支は区域気管支(右10本・左8〜9本)に分岐して肺区域を支配する。肺葉の数と葉気管支の数は一対一対応している。
✗ 4. 誤り
区域気管支は軟骨を欠く。
軟骨は気管で最も発達し、末梢へいくほど減少する。気管・主気管支ではU字〜輪状の連続的な軟骨、葉気管支・区域気管支では不連続な島状の軟骨片となり、細気管支(直径約1mm未満)で完全に軟骨を欠く。したがって区域気管支にはまだ軟骨が残存しており、「軟骨を欠く」のは細気管支以降である。
ポイント
  • 左肺は2葉(上・下)、右肺は3葉(上・中・下)。葉気管支の本数も左2本・右3本と対応。
  • 覚え方のコツ: 「葉の数=葉気管支の数」「左2右3」と数でセット記憶。気管分岐部は胸骨角(Th4-5)。
  • 関連知識: 軟骨は気管〜区域気管支まで存在し、細気管支で消失。細気管支以降は平滑筋が相対的に発達。
  • よくある間違い: 気管分岐部を第3胸椎とする/大動脈弓を右主気管支の上と誤解/区域気管支に軟骨がないと誤解。
  • 臨床応用: 気管支鏡で大動脈弓の圧排を観察するのは左主気管支。肺葉切除は葉気管支単位、区域切除は区域気管支単位で行う。
解説画像
あマ指 第31回(2023) 問題19|気管支について正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第31回(2023) 問題19|気管支について正しいのはどれか。
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