学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ C. 脳幹 / Q0503

理由で解く 解剖学

Q0503 神経系

出典:あマ指 第3回(1995) 問題33
問題
錘体交叉がみられる部位はどれか。
選択肢
1 中脳
2
3 延髄
4 脊髄
解答
正解3(延髄)
解説
✗ 1. 誤り
中脳
中脳は脳幹のうち橋の前方に続く部分で、腹側の大脳脚に錐体路が束となって下行する。ただし錐体路の左右交叉はこの高さでは起こらず、延髄まで下ってから行われるため、錐体交叉の部位としては誤りである。
✗ 2. 誤り
橋では橋底部を錐体路が通過し、横橋線維と錯綜しながら下方の延髄錐体へと連続する。この区間でも錐体路の線維は同側を下行しており、左右の交叉は起こらないため、錐体交叉の部位ではない。
✓ 3. 正しい
延髄
錐体交叉は延髄下部(延髄と脊髄の移行部)に存在する。大脳皮質運動野から発した錐体路線維は内包・大脳脚・橋を経て延髄の腹側面の錐体を下行し、その下端で大部分(約70〜90%)の線維が正中を越えて反対側の脊髄側索に入り、外側皮質脊髄路となる。これにより一側の大脳が対側の体の随意運動を支配する左右対称性(対側支配)が確立される。交叉しない残りの線維は前皮質脊髄路として同側を下行し、より下位で分節ごとに交叉する。
✗ 4. 誤り
脊髄
脊髄は錐体交叉を終えた錐体路線維を、外側皮質脊髄路として側索に、前皮質脊髄路として前索に含んで下行させる通路である。交叉そのものは脊髄ではなく、その上方の延髄下端で行われる。
ポイント
  • 錐体交叉は延髄下端(延髄と脊髄の移行部)で生じ、錐体路線維の大部分(約70〜90%)が対側へ交叉する。
  • 覚え方のコツ: 「錐体が終わるところで交叉する」と位置をリンク。錐体=延髄腹側の縦の隆起→その下端が交叉点、と図でセットで覚える。
  • 関連知識: 交叉した線維は脊髄側索の外側皮質脊髄路、非交叉線維は前索の前皮質脊髄路となる。感覚系の交叉は延髄の内側毛帯(後索核)で、錐体路の運動系交叉より上位で別々に起こる。
  • よくある間違い: 「錐体路=延髄の錐体部で交叉」は正しいが、「中脳(大脳脚)で交叉」と誤答しやすい。また感覚路(内側毛帯)の交叉位置と混同しやすい。
  • 臨床応用: 内包出血や中大脳動脈梗塞では病巣と対側に片麻痺を生じる。これは錐体路が延髄で交叉して対側を支配するため。延髄交叉より下で障害されれば同側麻痺となる。
比較表
伝導路 起始 交叉部位 終止
外側皮質脊髄路 大脳皮質運動野 延髄下端・錐体交叉 対側脊髄前角
前皮質脊髄路 大脳皮質運動野 脊髄各分節で交叉 対側脊髄前角
内側毛帯(識別性触覚) 後索核(延髄) 延髄(毛帯交叉) 対側視床
外側脊髄視床路(痛温覚) 脊髄後角 脊髄分節内で交叉 対側視床
解説画像
あマ指 第3回(1995) 問題33|錘体交叉がみられる部位はどれか。 解説図
あマ指 第3回(1995) 問題33|錘体交叉がみられる部位はどれか。
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