学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ34P105

理由で解く 柔道整復師

QJ34P105 柔道整復理論

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午後 問105
問題
17歳の男子。体操競技の練習中に右膝から着地し受傷した。直後から歩行が困難となり車いすで来所した。右膝関節部の腫脹、疼痛は著明で、膝の前面に陥凹を触知する。考えられるのはどれか。
選択肢
1 膝蓋骨外側脱臼
2 膝蓋骨骨折
3 脛骨顆間隆起骨折
4 脛骨粗面骨折
解答
正解2(膝蓋骨骨折)
解説

膝から着地したという直達外力に、膝前面に触れる陥凹と著明な腫脹が加わっています。膝蓋骨骨折で骨片が離開した所見と考えられます。

膝を床に打ちつける動作は膝蓋骨に直接大きな力が加わる典型的な直達外力で、膝蓋骨は横骨折を起こしやすくなります。骨折すると大腿四頭筋の牽引によって上骨片が近位へ引き上げられ、骨片の間が離れます。この離開部が皮下に触れるのが「膝の前面の陥凹」です。膝蓋骨は関節内に位置するため、骨折は関節内骨折となり、関節血症で腫脹が著明になります。伸展機構が断たれるので膝の自動伸展が困難となり、歩行できずに来所するという経過も一致します。骨片間の離開があれば引き寄せ締結法などの観血療法が選択されるため、疑った時点で固定して医療機関へ紹介します。

✓ 2. 正しい
膝蓋骨骨折
直達外力による受傷、膝前面に触れる陥凹(骨片間の離開)、関節血症による著明な腫脹、歩行困難という所見がすべて整合します。膝蓋骨の高さで横走する陥凹を触れることが決め手です。
✗ 1. 誤り
膝蓋骨外側脱臼
膝軽度屈曲位からの外反・下腿外旋という捻転力で起こることが多く、膝から着地する直達外力とは機転が異なります。脱臼が持続していれば膝蓋骨を外側に触知し、膝は屈曲位で弾発性固定されるため、所見の形が違います。
✗ 3. 誤り
脛骨顆間隆起骨折
前十字靱帯の付着部が裂離する骨折で、膝の過伸展や回旋で生じます。関節血症と前方不安定性が主体で、圧痛は関節の深部にあり、膝前面の皮下に骨の陥凹を触れることはありません。
✗ 4. 誤り
脛骨粗面骨折
膝蓋腱に強い牽引がかかるジャンプの踏切りや着地で発生します。圧痛や陥凹は膝蓋骨より遠位の脛骨粗面部にあり、膝蓋骨は高位へ移動します。陥凹の高さが本症例と合いません。
ポイント
  • 膝を打ちつける直達外力 → 膝蓋骨骨折(横骨折が多い)。
  • 大腿四頭筋の牽引で上骨片が引き上げられ、骨片間が離開 → 膝前面に陥凹を触知。
  • 関節内骨折なので関節血症で腫脹が著明。膝の自動伸展が困難になる。
  • 骨片間離開があれば観血療法(引き寄せ締結法など) → 固定して医療機関へ紹介。
  • 陥凹の「高さ」で鑑別:膝蓋骨の高さ=膝蓋骨骨折、より遠位=脛骨粗面骨折や膝蓋腱断裂。
比較表
疾患受傷機転陥凹の位置その他の所見
膝蓋骨骨折膝前面への直達外力膝蓋骨の高さ関節血症、自動伸展困難
膝蓋骨外側脱臼膝屈曲+外反・下腿外旋本来の膝蓋骨位置が空虚外側に膝蓋骨を触知、弾発性固定
脛骨顆間隆起骨折過伸展・回旋触知しない関節血症、前方不安定性
脛骨粗面骨折膝蓋腱の強い牽引脛骨粗面部(膝蓋骨より遠位)膝蓋骨高位
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