学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ34P104
理由で解く 柔道整復師
橈骨遠位端骨折後に背屈転位が残り、体重を支持する動作で手関節尺側が痛む——この組合せは三角線維軟骨複合体(TFCC)損傷を強く示唆します。
橈骨遠位端が背屈転位したまま癒合すると、橈骨の長さが相対的に短くなり、尺骨頭が手根骨側へ突き出た状態(尺骨プラス変異)になります。すると手関節の尺側にあるTFCCが常に圧迫され、そこへ体重支持や前腕の回旋が加わるたびに負荷が集中します。この症例のように、骨折の治癒後しばらくしてから尺側部痛が出てくる経過は典型的です。鑑別を進めるうえで有用なのが「ないもの」の情報です。握力低下がないこと、手部の筋萎縮がないこと、自発的な感覚異常がないことは、神経障害や月状骨軟化症、複合性局所疼痛症候群を積極的には支持しません。痛みの部位が尺側に限局している点と合わせて、TFCC損傷に絞り込めます。
| 疾患 | 痛みの部位 | 随伴所見 | 本例との一致 |
|---|---|---|---|
| TFCC損傷 | 手関節尺側 | 回旋・軸圧で誘発、握力は保たれることが多い | 一致する |
| 橈骨神経障害 | 前腕背側・手背橈側 | 感覚異常、伸展筋力低下 | 感覚異常なしで不一致 |
| 反射性交感神経性ジストロフィー | 手全体 | 持続痛、腫脹、皮膚変化、可動域制限 | 所見が乏しく不一致 |
| 月状骨軟化症 | 手関節中央(背側) | 握力低下、可動域制限 | 握力低下なしで不一致 |
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