学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ34P103
理由で解く 柔道整復師
車内での長時間の同一姿勢、下肢の痛みと腫れ、その後に現れた胸痛・呼吸困難・頻脈・意識障害という流れは、深部静脈血栓が肺に飛んだ経過そのものです。エコノミークラス症候群を考えます。
狭い車内で膝を曲げたまま長時間過ごすと、下腿の筋ポンプが働かず静脈還流が滞ります。加えて避難生活では水分摂取が減って血液が濃縮しやすく、深部静脈血栓症が生じます。まず出るのが片側下肢の疼痛と腫脹で、この症例の「昨日から下肢の痛みと腫れ」がこれにあたります。その血栓が剥がれて肺動脈を詰まらせると、胸痛・呼吸困難・頻脈が突然現れ、広範囲であればショックや意識障害に至ります。声をかけて動かした直後に症状が急変している点も、血栓が遊離した状況と合致します。この場面で行うべきは、直ちに救急要請し、安静を保って搬送につなぐことです。下肢を揉んだり動かしたりする処置は選ばず、意識と呼吸の状態を観察しながら医療につなぎます。
| 病態 | 前提となる状況 | 主な症状 |
|---|---|---|
| エコノミークラス症候群 | 長時間の同一姿勢・脱水 | 下肢腫脹・疼痛→胸痛、呼吸困難、頻脈、ショック |
| 脂肪塞栓症候群 | 長管骨・骨盤骨折後 | 呼吸障害、意識障害、点状出血 |
| クラッシュ症候群 | 四肢の長時間圧挫と解放 | 高カリウム血症、急性腎不全、ショック |
| 下腿コンパートメント症候群 | 骨折・出血・過度の圧迫 | 下腿の激痛、緊満、他動伸張時痛、感覚障害 |
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