学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ34P106

理由で解く 柔道整復師

QJ34P106 柔道整復理論

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午後 問106
問題
50歳の男性。スキーで転倒し、右下肢を負傷したため来所した。背臥位で寝かせたところ、膝蓋骨は正面を向いているが、足部は外旋している。考えられるのはどれか。
選択肢
1 大腿骨骨幹部骨折
2 脛骨骨幹部骨折
3 脛・腓両骨骨幹部骨折
4 腓骨骨幹部骨折
解答
正解3(脛・腓両骨骨幹部骨折)
解説

膝蓋骨は正面を向いたまま足部だけが外旋している——回旋のずれが膝より遠位で起きており、しかも下腿の支柱が完全に失われた状態です。脛・腓両骨骨幹部骨折を考えます。

背臥位で下肢の向きを見るとき、膝蓋骨と足部の向きを別々に確認すると骨折部位を絞り込めます。大腿骨骨幹部で折れていれば、遠位骨片から下の下肢全体が外旋するため膝蓋骨も外を向きます。膝蓋骨が正面を向いているということは、大腿骨には回旋転位がなく、ずれは膝より遠位で起きていることを意味します。次に下腿を考えると、脛骨と腓骨のどちらか一方が連続していれば、その骨が支柱となって著明な回旋転位は起こりません。足部だけが明らかに外旋しているのは、2本とも折れて下腿の連続性が断たれた状態です。「膝蓋骨の向きで高さを決め、転位の大きさで本数を決める」と手順化すると、同型の問題に応用できます。

✓ 3. 正しい
脛・腓両骨骨幹部骨折
膝蓋骨が正面を向いていることから骨折は膝より遠位、足部の明らかな外旋から下腿の支柱が失われていることが読み取れます。両骨の骨幹部骨折であれば、遠位骨片が下肢の重みで外旋する所見と一致します。開放骨折になりやすい部位でもあるため、皮膚の状態と足背動脈・感覚を確認し、固定のうえ速やかに搬送します。
✗ 1. 誤り
大腿骨骨幹部骨折
大腿骨骨幹部で折れると遠位骨片から末梢の下肢全体が外旋するため、膝蓋骨も外を向きます。本例は膝蓋骨が正面を向いており、この部位の骨折とは所見が合いません。大腿の腫脹・変形や患肢短縮も伴います。
✗ 2. 誤り
脛骨骨幹部骨折
腓骨が連続性を保っていれば支柱として働くため、著明な外旋転位は生じにくくなります。単独骨折では足部が明らかに外旋する所見は説明しにくいものです。
✗ 4. 誤り
腓骨骨幹部骨折
荷重の大半を担う脛骨が残るため転位はごくわずかで、歩行が可能なこともあります。足部が外旋するほどの転位は生じません。
ポイント
  • 膝蓋骨の向きで骨折の高さを判断する。膝蓋骨が外を向けば膝より近位、正面を向けば膝より遠位。
  • 下腿は脛骨・腓骨のどちらかが残れば支柱となり、著明な転位は生じにくい。
  • 足部だけが明らかに外旋=下腿の連続性が断たれた=脛・腓両骨骨折。
  • 大腿骨骨幹部骨折では下肢全体が外旋し、患肢短縮と大腿の変形・腫脹を伴う。
  • 下腿骨骨幹部骨折は皮下組織が薄く開放骨折になりやすい。皮膚損傷、足背動脈の拍動、末梢の感覚を確認し、固定して速やかに搬送する。
比較表
骨折膝蓋骨の向き足部の向きその他の特徴
大腿骨骨幹部骨折外を向く外旋患肢短縮、大腿の変形・腫脹
脛骨骨幹部骨折(単独)正面転位はわずか腓骨が支柱として残る
脛・腓両骨骨幹部骨折正面明らかに外旋下腿の連続性が断たれる、開放骨折になりやすい
腓骨骨幹部骨折(単独)正面ほぼ変化なし脛骨が支柱として残り歩行可能なこともある
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