学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §20 各論(脱臼) 下肢 / QJ34P091
理由で解く 柔道整復師
股関節屈曲80度・軽度外転外旋位は骨頭が臼蓋に深く収まった「はまりの良い」肢位です。この状態で膝前面から突き上げられると、外れるより先に骨が折れるため、単独の脱臼が最も生じにくくなります。
ダッシュボード損傷は、屈曲した膝の前面が衝突し、大腿骨長軸に沿って後方へ突き上げられる外力です。股関節が屈曲90度以上で内転・内旋している場合、骨頭は臼蓋後縁から逃げやすい向きにあるため、後方脱臼(腸骨脱臼)が単独で成立します。ところが屈曲が90度に届かず、しかも外転・外旋している本問の肢位では、骨頭の被覆が良く逃げ場がありません。加わった力は骨頭と臼蓋後縁がぶつかる衝撃として処理され、大腿骨頭骨折や寛骨臼後縁の骨折、あるいは頸部に働く剪断力による大腿骨頸部骨折として現れます。脱臼が起こるとしても骨折を伴う脱臼骨折の形をとります。「肢位が良いほど骨折になる」という関係を押さえるのが要点です。
| 股関節の肢位 | 骨頭の被覆 | 起こりやすい損傷 |
|---|---|---|
| 屈曲90度以上+内転+内旋 | 浅い(後方へ逃げやすい) | 後方脱臼(単独脱臼が成立) |
| 屈曲80度+軽度外転・外旋 | 深い(逃げ場がない) | 大腿骨頭骨折、寛骨臼後縁骨折、大腿骨頸部骨折、脱臼骨折 |
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