学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §20 各論(脱臼) 下肢 / QJ34P092

理由で解く 柔道整復師

QJ34P092 柔道整復理論

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午後 問92
問題
膝蓋骨外側脱臼の要因で正しいのはどれか。
選択肢
1 内反膝
2 Q角の減少
3 外側広筋の萎縮
4 大腿骨頸部過度前捻
解答
正解4(大腿骨頸部過度前捻)
解説

膝蓋骨外側脱臼は「膝蓋骨を外側へ引く力が強い」または「内側で止める力が弱い」ときに起こります。大腿骨頸部の過度前捻はQ角を増大させて外側への牽引を強めるため、要因として正しい記述です。

膝蓋骨は大腿四頭筋腱と膝蓋靱帯がつくる角度(Q角)の分だけ、常に外側へ引かれる力を受けています。これに抵抗しているのが内側広筋(とくに斜頭)と内側膝蓋大腿靱帯、そして大腿骨外側顆の高まりです。大腿骨頸部の前捻が過度になると大腿骨が内旋位をとり、膝が内側を向いたまま足部が外を向く肢位になります。この結果Q角が大きくなり、膝蓋骨は外側へ引かれやすくなります。同じ理屈で外反膝、膝蓋骨高位、大腿骨外側顆の低形成、内側広筋の萎縮、全身関節弛緩性、女性の骨盤形態なども要因になります。要因を丸暗記せず「Q角が増えるか、内側の押さえが弱るか」で判定すれば、初見の選択肢でも判断できます。

✓ 4. 正しい
大腿骨頸部過度前捻
前捻角が大きいと大腿骨は内旋位をとり、膝蓋骨は内向き、下腿・足部は外向きとなってQ角が増大します。膝蓋骨を外側へ引く合力が強まるため、外側脱臼の要因になります。
✗ 1. 誤り
内反膝
要因となるのは内反膝ではなく外反膝(X脚)です。外反膝ではQ角が大きくなり外側への牽引が強まりますが、内反膝はQ角を小さくする方向に働きます。
✗ 2. 誤り
Q角の減少
逆です。要因になるのはQ角の増大です。Q角が大きいほど大腿四頭筋の収縮が膝蓋骨を外側へ引く成分に変わります。
✗ 3. 誤り
外側広筋の萎縮
問題になるのは内側広筋(とくに斜頭)の萎縮です。内側の押さえが弱ると膝蓋骨は外側へ逃げます。外側広筋は膝蓋骨を外側へ引く側の筋なので、萎縮しても外側脱臼の要因にはなりません。再発予防では内側広筋の再教育と外側支帯の柔軟性改善を組み合わせて指導します。
ポイント
  • 判定の軸は2つ。「Q角が増大するか」「内側の制動が弱るか」。
  • 要因になる:外反膝、Q角増大、大腿骨頸部の過度前捻、膝蓋骨高位、大腿骨外側顆の低形成、内側広筋の萎縮、全身関節弛緩性。
  • 要因にならない:内反膝、Q角減少、外側広筋の萎縮。
  • 受傷機転は膝軽度屈曲位での外反+下腿外旋。多くは自然整復され、内側支帯の圧痛と膝蓋骨不安感テストが手がかりになる。
  • 再発予防として内側広筋の強化、外側支帯・腸脛靱帯の柔軟性改善、足部回内の是正を段階的に進める。
比較表
因子Q角・内側制動への影響外側脱臼の要因か
外反膝(X脚)Q角が増大要因になる
内反膝(O脚)Q角が減少要因にならない
大腿骨頸部の過度前捻大腿骨内旋位でQ角が増大要因になる
内側広筋の萎縮内側の制動が低下要因になる
外側広筋の萎縮外側への牽引が低下要因にならない
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