学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ32P114
理由で解く 柔道整復師
手関節「尺側」の痛みで、尺屈+軸圧という尺側手根への圧縮テストで再現される訴えです。月状骨軟化症(キーンベック病)は手関節の中央から橈側寄りの病変なので、この症状分布からは考えにくく、これが答えになります。
手関節の痛みは、まず橈側・中央・尺側のどこが痛いかで候補が大きく絞られます。尺側手関節痛の代表は三角線維軟骨複合体(TFCC)損傷、遠位橈尺関節(DRUJ)の不安定症・脱臼、尺骨茎状突起骨折、尺骨突き上げ症候群です。いずれも尺骨頭・尺骨茎状突起・TFCCという「尺側の柱」に負荷がかかる病態で、前腕の回内外や手関節尺屈で症状が誘発されるという共通点があります。本例のゴルフのスイングは手関節に尺屈と回旋を強制し、ペットボトルの開栓は前腕回旋と握力を要求する動作で、どちらも尺側柱への負荷です。尺屈位で軸圧を加えて疼痛が再現されるのは、尺骨頭とTFCC・三角骨のあいだを圧縮する手技で、尺側病変を示唆する所見です。一方、月状骨軟化症は月状骨が橈骨と関節する位置、つまり手関節背側の中央から橈側寄りにあるため、圧痛点も症状の中心もこことは重なりません。臨床では、痛みの部位を1点で指してもらうことが鑑別の出発点になります。
| TFCC損傷など尺側病変 | 月状骨軟化症(キーンベック病) | |
|---|---|---|
| 痛みの部位 | 手関節尺側(尺骨頭・茎状突起周囲) | 手関節背側の中央〜橈側(月状骨直上) |
| 誘発動作 | 尺屈+軸圧、前腕回内外、握って回す動作 | 手関節背屈、手をついた荷重 |
| 随伴所見 | 尺骨頭の不安定感、クリック | 背屈制限、握力低下、腫脹 |
| 病態 | 軟部組織(線維軟骨・靱帯)の損傷 | 月状骨の阻血性壊死 |
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