学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ32P113
理由で解く 柔道整復師
前腕近位橈側の違和感に続いて第2〜5MP関節の伸展が不能になり、感覚障害はない――後骨間神経(橈骨神経深枝)の麻痺です。同じ神経に支配される長母指外転筋も働かなくなるため、母指の橈側外転ができなくなります。
橈骨神経は肘の前外側で浅枝(感覚)と深枝(運動)に分かれ、深枝は回外筋の中(フローゼのアーケード)を通って後骨間神経となります。この高さで絞扼されると運動枝だけが障害されるので、感覚障害を伴わずに指の伸展障害が出るのが特徴です。長・短橈側手根伸筋は分岐より近位で支配を受けるため手関節の背屈は保たれ、下垂手ではなく下垂指(drop finger)になります。後骨間神経が支配するのは総指伸筋・示指伸筋・小指伸筋・尺側手根伸筋に加え、長母指外転筋・短母指伸筋・長母指伸筋です。したがって「指が伸ばせない」の裏返しとして、母指を橈側へ開く動きも失われます。前腕近位橈側の違和感という発症部位も、回外筋部での絞扼に一致します。
| 神経 | 代表的な麻痺の形 | 特徴的な徴候 | 感覚障害 |
|---|---|---|---|
| 後骨間神経(橈骨神経深枝) | 下垂指(MP関節伸展不能) | 母指橈側外転不能、手関節背屈は可能 | なし |
| 橈骨神経本幹(上腕部) | 下垂手 | 手関節背屈も不能 | 手背橈側にあり |
| 前骨間神経 | 母指IP・示指DIPの屈曲不能 | つまみ動作不能、ティアドロップサイン | なし |
| 尺骨神経 | 鷲手 | フローマン徴候 | 小指側にあり |
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