学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ32P112
理由で解く 柔道整復師
小児期の肘骨折後の内反肘(運搬角-10度)を背景に、前腕回外位+軸圧+外反で橈骨頭が後外方へ亜脱臼する――肘の後外側回旋不安定症です。責任病巣は外側尺側側副靱帯の弛緩です。
肘の外側側副靱帯複合体のうち、上腕骨外側上顆から尺骨の回外筋稜に付着する外側尺側側副靱帯は、尺骨(とそれに連結して動く橈骨頭)が上腕骨に対して後外方へ回旋してずれるのを止めています。ここが緩むと、前腕回外位で軸圧と外反を加えたときに尺骨と橈骨頭が一体となって後外方へ回旋亜脱臼し、「カクッとずれる」感覚と脱力が生じます。本例で行われた検査は、まさにこの不安定性を誘発する外側ピボットシフトテストに相当します。小児期の肘の骨折後に内反肘変形が残ると、荷重の力線が肘関節の中心より内側を通るようになり、肘に内反方向のモーメントが持続的にかかります。その結果、外側の支持機構(外側尺側側副靱帯)が年余にわたり引き伸ばされ、この不安定性が遅発性に顕在化することがあります。作業中の特定動作で症状が出る点も、回旋方向の不安定性に一致します。
| 靱帯・構造 | 破綻したときの不安定性 | 代表的な病態 |
|---|---|---|
| 外側尺側側副靱帯 | 後外側回旋不安定性(橈骨頭が後外方へ) | 肘の後外側回旋不安定症 |
| 内側側副靱帯(前斜走線維) | 外反不安定性 | 投球障害肘、外反ストレス障害 |
| 輪状靱帯 | 橈骨頭からの逸脱・介在 | 幼小児の肘内障 |
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