学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ32P111
理由で解く 柔道整復師
他動では外転できるのに自動では60度までしか挙げられない、という「自動と他動の解離」は腱板損傷の典型像。外傷歴と夜間痛もこれを裏づける。
腱板(棘上筋など)が断裂すると、骨頭を関節窩に引きつけて挙上の支点をつくる働きと、三角筋の力を上腕骨に伝える経路が破綻するため、自動での外転ができなくなる。一方で関節包や関節面そのものは保たれているので、他動では動かせるのが特徴である。転倒などの外傷が契機となり、患側を下にすると疼痛が増す夜間痛、外転60〜120度で痛みが出る有痛弧徴候、他動で挙げた腕を保持できず落ちてしまうドロップアームサインがみられる。放置すると拘縮が加わって他動制限まで出てしまうため、疼痛管理をしながら肩甲胸郭関節と三角筋の機能を落とさない範囲で運動を続け、断裂の程度を評価するために医療機関の受診を勧める。
| 自動運動 | 他動運動 | 特徴的な所見 | |
|---|---|---|---|
| 腱板損傷 | 制限(挙上できない) | 可能 | 夜間痛、有痛弧徴候、ドロップアームサイン |
| 五十肩 | 制限 | 制限(拘縮) | 明らかな外傷契機がなく中年以降に発症 |
| 肩関節脱臼 | 不能 | 弾発性固定で不能 | 肩峰下の陥凹、三角筋部の膨隆消失 |
| 上腕骨外科頸骨折 | 不能 | 激痛で不能 | 高度腫脹・皮下出血、限局性圧痛、軋轢音 |
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