学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ32P103
理由で解く 柔道整復師
橈骨遠位端骨折の固定を外したあと、手部に疼痛・腫脹・熱感が出てきた経過である。骨折の程度では説明のつかない症状が続いており、複合性局所疼痛症候群(CRPS)を第一に考える。
CRPSは、外傷や長期固定をきっかけに局所の炎症反応と交感神経系の反応が過剰・遷延して起こる病態である。橈骨遠位端骨折は高齢女性に多く、手関節を数週間固定するため手指・肘・肩を動かさない期間が生じやすく、CRPSの代表的な発生母地となる。特徴は「損傷の程度に見合わない持続痛」「腫脹」「皮膚温・皮膚色の変化」「発汗異常」「関節可動域制限」で、進行するとX線で斑状の骨萎縮(ズデック骨萎縮)がみられる。予防の要点は、固定をMP関節が自由に動く範囲にとどめること、患肢を心臓より高く保って浮腫を減らすこと、固定中から手指・肘・肩の自動運動を続けることである。本例のように固定除去後に症状が出た場合は、疼痛の少ない範囲での自動運動と浮腫管理を継続しながら、早めに医師へ情報提供し評価を受ける。
| 病態 | 発生の時期 | 起こりやすい部位・状況 | 主な所見 |
|---|---|---|---|
| 複合性局所疼痛症候群 | 固定中〜固定除去後 | 橈骨遠位端骨折後の手部、足関節外傷後の足部 | 不釣り合いな持続痛、腫脹、熱感・皮膚色変化、発汗異常、可動域制限 |
| 骨化性筋炎 | 受傷数週以降 | 肘関節周囲(顆上骨折・肘関節脱臼後) | 硬い腫瘤の触知、可動域制限 |
| 阻血性壊死 | 数か月後に顕在化 | 手根舟状骨、大腿骨頭、距骨体部 | 徐々に増す疼痛、可動域制限、X線の骨硬化像 |
| 脂肪塞栓症候群 | 受傷後24〜72時間 | 大腿骨骨幹部骨折、骨盤骨折 | 呼吸困難、意識障害、点状出血(全身症状) |
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