学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §23 各論(軟部組織損傷) 下肢 / QJ32P102

理由で解く 柔道整復師

QJ32P102 柔道整復理論

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午後 問102
問題
ジャンパー膝で正しいのはどれか。
選択肢
1 膝蓋跳動がみられる。
2 膝蓋骨下極部に圧痛がみられる。
3 グラスピングテストが陽性となる。
4 膝関節屈伸でクリックを触知する。
解答
正解2(膝蓋骨下極部に圧痛がみられる。)
解説

ジャンパー膝は膝蓋腱の骨付着部の障害で、膝蓋骨下極部に限局した圧痛が出る。答えは2。

ジャンパー膝(膝蓋腱炎、膝蓋靱帯付着部炎)は、ジャンプの踏み切りや着地で大腿四頭筋が強い遠心性収縮を繰り返すことにより、膝蓋腱の骨付着部に微細損傷と変性が蓄積して起こる。牽引力が集中するのは腱が骨へ移行する膝蓋骨下極部で、ここに限局した圧痛が最も重要な所見となる。関節内の病変ではないため関節水腫はふつう生じず、膝伸展位での大腿四頭筋収縮や、階段の降段・着地動作で痛みが強まる。

✓ 2. 正しい
膝蓋骨下極部に圧痛がみられる。
膝蓋腱が膝蓋骨下極に付着する部位に牽引ストレスが集中するため、ここに限局した圧痛が生じる。膝を軽度屈曲させて腱を緊張させると圧痛がはっきりすることがある。
✗ 1. 誤り
膝蓋跳動がみられる。
膝蓋跳動は関節内に水腫が貯留したときの所見で、半月板損傷、靱帯損傷、関節内骨折、炎症性関節疾患などを示唆する。ジャンパー膝は関節外の腱付着部障害なので通常はみられない。
✗ 3. 誤り
グラスピングテストが陽性となる。
大腿骨外側上顆の上方で腸脛靱帯をつかんで押さえ、膝を屈伸させて疼痛が誘発されるかをみる検査で、腸脛靱帯炎(ランナー膝)のもの。部位も病態も異なる。
✗ 4. 誤り
膝関節屈伸でクリックを触知する。
屈伸に伴うクリックや引っかかりは半月板損傷を示唆する所見で、マックマレーテストなどで評価する。
ポイント
  • 病態は膝蓋腱の骨付着部に生じる使いすぎによる変性。ジャンプ動作の多い競技に多い。
  • 圧痛の中心は膝蓋骨下極部。膝蓋腱中央部や脛骨粗面部に出ることもある。
  • 関節水腫(膝蓋跳動)は通常伴わない=関節外の障害という裏付けになる。
  • 成長期では脛骨粗面のオスグッド・シュラッター病、膝蓋骨下極のシンディング・ラーセン・ヨハンソン病と鑑別する。
  • 対応は運動量の調整、大腿四頭筋とハムストリングスの柔軟性改善、遠心性トレーニングによる段階的な負荷再教育。痛みを我慢して続けない指導が重要。
比較表
疾患圧痛部位特徴的所見・検査
ジャンパー膝膝蓋骨下極部大腿四頭筋収縮時痛。関節水腫なし
腸脛靱帯炎(ランナー膝)大腿骨外側上顆部グラスピングテスト陽性
半月板損傷関節裂隙クリック・ロッキング、マックマレーテスト陽性
オスグッド・シュラッター病脛骨粗面成長期、脛骨粗面の隆起と圧痛
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