学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §23 各論(軟部組織損傷) 下肢 / QJ31P102

理由で解く 柔道整復師

QJ31P102 柔道整復理論

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午後 問102
問題
大腿部打撲後のスポーツ復帰の条件となるのはどれか。
選択肢
1 疼痛が完全になくなった。
2 可動域が健側の 90%まで回復した。
3 筋力が健側の 70%まで回復した。
4 敏捷性が受傷前の50%のレベルに到達した。
解答
正解1(疼痛が完全になくなった。)
解説

スポーツ復帰の大前提は「痛みがないこと」。可動域・筋力・敏捷性はいずれも健側や受傷前とほぼ同等まで戻して初めて復帰を許可する。

大腿部打撲(大腿四頭筋挫傷)では、血腫や瘢痕が残った状態で競技に戻ると再受傷や骨化性筋炎につながる。復帰の判断は主観と客観の両面で行い、まず日常動作および競技動作で疼痛がないことを確認する。そのうえで膝の可動域が健側と同等であること、筋力が健側の90%以上に回復していること、ダッシュや方向転換などの敏捷性が受傷前とほぼ同じレベルに戻っていることを段階的に確かめていく。本問の選択肢に挙がった数値はいずれも復帰基準としては不足しており、その段階で復帰させると再発の危険が高い。負荷は段階的に上げ、各段階で翌日の疼痛・腫脹の再燃がないことを確認しながら進めるとよい。

✓ 1. 正しい
疼痛が完全になくなった。
疼痛の消失は復帰判断の出発点であり必須条件である。痛みが残る状態ではフォームが崩れて代償動作が生じ、再受傷や他部位の障害を招く。
✗ 2. 誤り
可動域が健側の 90%まで回復した。
可動域は健側と同等(ほぼ100%)まで戻すのが目標である。90%では膝の深屈曲や全力疾走時のストライドに制限が残り、復帰基準としては不十分である。
✗ 3. 誤り
筋力が健側の 70%まで回復した。
筋力の目安は健側の90%以上である。70%では大腿四頭筋の遠心性収縮に耐えられず、着地や減速の局面で再受傷しやすい。
✗ 4. 誤り
敏捷性が受傷前の50%のレベルに到達した。
敏捷性も受傷前とほぼ同等まで戻すことが条件である。50%の段階ではダッシュや方向転換に対応できず、競技復帰の基準を満たさない。
ポイント
  • 復帰の必須条件は疼痛の完全消失。ここが出発点になる。
  • 可動域は健側と同等、筋力は健側の90%以上、敏捷性は受傷前レベルが目安。
  • 大腿部打撲では骨化性筋炎に注意。急性期の強いマッサージや無理な他動伸張は避ける。
  • 負荷は段階的に上げ、各段階で翌日の疼痛・腫脹の再燃がないことを確認する。
  • 数値だけで判断せず、実際の競技動作を行わせて可否を確認する。
比較表
評価項目復帰の目安不足すると起こること
疼痛完全に消失代償動作による再受傷・他部位の障害
可動域健側と同等深屈曲やストライドの制限
筋力健側の90%以上着地・減速時の再受傷
敏捷性受傷前とほぼ同等方向転換動作に対応できない
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