学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §23 各論(軟部組織損傷) 下肢 / QJ31P101

理由で解く 柔道整復師

QJ31P101 柔道整復理論

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午後 問101
問題
単純性股関節炎で正しいのはどれか。
選択肢
1 片側性が多い。
2 高齢者に好発する。
3 外旋が制限される。
4 予後不良である。
解答
正解1(片側性が多い。)
解説

単純性股関節炎は3〜10歳の小児が片側の股関節を痛がって跛行する疾患で、多くは上気道感染の後に生じ、1〜2週間で自然に軽快する。

単純性股関節炎(一過性滑膜炎)は小児の股関節痛で最も多い原因である。風邪などの先行感染の後に片側の股関節に関節液がたまり、疼痛と跛行が出る。膝や大腿部への関連痛として訴えることもあるため、膝を痛がる小児では股関節も必ず診る。患児は関節内圧が最も低くなる軽度屈曲・外転・外旋位を好み、内旋と伸展が痛みで制限される。安静により自然軽快するが、高熱や全身状態の悪化を伴うなら化膿性股関節炎、症状が長引くならペルテス病や大腿骨頭すべり症を考え、医療機関での血液検査・画像検査につなげる。

✓ 1. 正しい
片側性が多い。
病変は一側の股関節に生じることがほとんどで、両側同時の発症はまれである。片側の股関節痛と跛行、膝や大腿への関連痛が典型像となる。
✗ 2. 誤り
高齢者に好発する。
好発年齢は3〜10歳の小児で、やや男児に多い。高齢者の股関節痛では変形性股関節症や大腿骨近位部骨折を優先して考える必要がある。
✗ 3. 誤り
外旋が制限される。
患児は関節内圧が下がる軽度屈曲・外転・外旋位を好むため、制限されるのは内旋と伸展である。外旋はむしろとりやすい肢位となる。
✗ 4. 誤り
予後不良である。
安静により1〜2週間で自然軽快する予後良好な疾患である。ただし症状が遷延する場合や発熱を伴う場合は化膿性股関節炎・ペルテス病などを疑い、医療機関へ紹介する。
ポイント
  • 3〜10歳、やや男児に多く、片側性。先行する上気道感染の既往が手がかり。
  • 肢位は屈曲・外転・外旋(関節内圧が最も低い)。制限されるのは内旋・伸展。
  • 予後良好で1〜2週間の安静により自然軽快する。
  • 高熱・強い疼痛・全身状態不良なら化膿性股関節炎を疑い、緊急で医療機関へ。
  • 症状が遷延すればペルテス病、思春期の肥満児なら大腿骨頭すべり症を鑑別する。
比較表
疾患好発年齢発熱・炎症所見経過
単純性股関節炎3〜10歳なし〜微熱1〜2週間で自然軽快
化膿性股関節炎乳幼児中心高熱・強い炎症所見緊急対応が必要、関節破壊の危険
ペルテス病4〜8歳(男児に多い)なし数か月〜年単位で経過、跛行が持続
大腿骨頭すべり症思春期(肥満児に多い)なし徐々に進行、外旋位歩行
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