学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §23 各論(軟部組織損傷) 下肢 / QJ31P100

理由で解く 柔道整復師

QJ31P100 柔道整復理論

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午後 問100
問題
病名と陽性となる検査・所見の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 下前腸骨棘骨折-ルドロフ症候
2 腸腰筋拘縮トーマステスト
3 アキレス腱周囲炎-トンプソンテスト
4 踵骨骨折ナウマン症候
解答
正解2(腸腰筋拘縮トーマステスト)
解説

腸腰筋が拘縮していると、背臥位で反対側の股関節を抱え込んでも患側の大腿が床から浮き上がる。これがトーマステスト陽性である。

トーマステストは、背臥位で健側の股関節と膝を胸に抱え込ませて骨盤を後傾させ腰椎前弯を消したうえで、患側の大腿が床から浮くかどうかをみる検査である。腰椎前弯によって隠されていた股関節の屈曲拘縮を、骨盤を固定することで表に出すのが原理となる。検査と病名の組合せ問題は、こうした原理や「どの筋がどこに付いて何ができなくなるか」まで戻れば、丸暗記せずに判断できる。

✗ 1. 誤り
下前腸骨棘骨折-ルドロフ症候
ルドロフ徴候は小転子の裂離骨折でみられる所見で、腸腰筋が小転子に停止するため、座位で膝を伸ばしたまま股関節を屈曲できなくなる。下前腸骨棘は大腿直筋の起始であり、そこの裂離骨折では股関節屈曲・膝伸展時の疼痛が主体となるので対応しない。
✓ 2. 正しい
腸腰筋拘縮トーマステスト
健側股関節を最大屈曲させて骨盤を後傾・固定すると、患側に腸腰筋拘縮があれば患側大腿が床から浮き上がる。腸腰筋を中心とした股関節屈筋拘縮の評価法として適切である。
✗ 3. 誤り
アキレス腱周囲炎-トンプソンテスト
トンプソンテストは腹臥位で下腿三頭筋を握り、足関節が底屈するかをみてアキレス腱の連続性を調べる検査で、断裂で陽性となる。腱周囲炎では腱の連続性は保たれるため陰性である。
✗ 4. 誤り
踵骨骨折ナウマン症候
踵骨骨折の評価で標準的に用いられるのは、側面エックス線像でのベーラー角の減少、踵部の腫脹と皮下出血、踵の幅の増大といった所見である。挙げられた徴候名は踵骨骨折を代表する所見としては用いられない。
ポイント
  • トーマステスト=腸腰筋(股関節屈筋)拘縮。骨盤を後傾固定して隠れた拘縮を出す。
  • ルドロフ徴候=小転子裂離骨折。腸腰筋の停止部なので座位で下肢を挙げられない。
  • トンプソンテスト=アキレス腱断裂。腱の連続性をみる検査。
  • 踵骨骨折=ベーラー角の減少、踵部の腫脹・皮下出血・幅の増大。
  • 検査名は「どの筋・腱が、どこに付き、何ができなくなるか」に戻して覚える。
比較表
検査・所見対応する病態成り立ち
トーマステスト腸腰筋拘縮骨盤後傾固定で屈曲拘縮が顕在化
ルドロフ徴候小転子裂離骨折腸腰筋停止部の断裂で座位挙上不能
トンプソンテストアキレス腱断裂腱の連続性喪失で底屈が起こらない
ベーラー角の減少踵骨骨折踵骨体部の圧潰による角度変化
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。