学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §22 各論(軟部組織損傷) 上肢 / QJ31P099

理由で解く 柔道整復師

QJ31P099 柔道整復理論

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午後 問99
問題
神経障害と検査・徴候の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 リュックサック麻痺-スパーリングテスト
2 肘部管症候群-肘屈曲テスト
3 後骨間神経麻痺-ティアドロップサイン
4 手根管症候群-フローマンサイン
解答
正解2(肘部管症候群-肘屈曲テスト)
解説

肘部管症候群では肘を深く曲げて保持すると尺骨神経が圧迫され、小指側のしびれが誘発される(肘屈曲テスト)。ほかの3組は神経と検査の対応がずれている。

肘部管は上腕骨内側上顆の後方にあり、尺骨神経が通る。肘を屈曲すると管の容積が減りオズボーン靱帯が緊張して神経が圧迫されるため、最大屈曲位を1〜3分保持して小指・環指尺側のしびれが出るかをみるのが肘屈曲テストである。誘発テストは「その神経が最も圧迫・伸張される肢位をつくる」という共通の理屈で組み立てられているので、部位の解剖と結びつけて覚えれば混同しない。組合せ問題では〈どの神経か→どこで絞扼されるか→その部位を狭めるのはどの肢位か〉の順に確かめるとよい。尺骨神経なら肘部管と肘屈曲、正中神経なら手根管と手関節屈曲(ファレンテスト)、神経根なら椎間孔と頸椎の伸展・側屈(スパーリングテスト)というように、絞扼部位が決まれば検査も一対一で決まる。

✗ 1. 誤り
リュックサック麻痺-スパーリングテスト
リュックサック麻痺は重い荷物の肩ひもによって鎖骨上部の腕神経叢(主に上神経幹)が圧迫されて起こる。一方スパーリングテストは頸椎を伸展・側屈・圧迫して椎間孔を狭め、頸椎症性神経根症を誘発する検査であり、対応しない。
✓ 2. 正しい
肘部管症候群-肘屈曲テスト
肘の最大屈曲位を保持すると肘部管が狭くなり尺骨神経が圧迫されるため、小指・環指尺側のしびれが誘発される。肘部管症候群の誘発テストとして適切な組合せである。
✗ 3. 誤り
後骨間神経麻痺-ティアドロップサイン
ティアドロップサインは前骨間神経麻痺の徴候である。母指と示指で輪をつくらせると母指IP関節と示指DIP関節を屈曲できず、輪が涙のしずく型になる。後骨間神経麻痺で現れるのは手指伸展不能(下垂指)である。
✗ 4. 誤り
手根管症候群-フローマンサイン
フローマン徴候は尺骨神経麻痺で母指内転筋が働かず、長母指屈筋で代償して母指IP関節が屈曲する所見である。手根管症候群は正中神経の絞扼であり、ファレンテストや手根管部のティネル徴候を用いる。
ポイント
  • 誘発テストの原則は「その神経が最も圧迫・伸張される肢位をつくる」こと。
  • 肘部管症候群=尺骨神経/肘屈曲テスト、内側上顆後方のティネル徴候。
  • 手根管症候群=正中神経/ファレンテスト、手根部のティネル徴候。
  • ティアドロップサインは前骨間神経麻痺。後骨間神経麻痺は下垂指で感覚障害なし。
  • フローマン徴候は尺骨神経麻痺(母指内転筋の筋力低下を長母指屈筋で代償)。
比較表
検査・徴候対応する障害陽性所見
肘屈曲テスト肘部管症候群(尺骨神経)小指・環指尺側のしびれ誘発
ファレンテスト手根管症候群(正中神経)母指〜環指橈側のしびれ誘発
フローマン徴候尺骨神経麻痺母指IP関節が屈曲して紙を挟む
ティアドロップサイン前骨間神経麻痺母指と示指の輪が涙滴型になる
スパーリングテスト頸椎症性神経根症上肢への放散痛の誘発
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