学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §12 総論 後療法 / QJ32P073
理由で解く 柔道整復師
ストレッチングは「どの神経メカニズムで筋を緩めるか」と「自分で動かすのか他人に動かしてもらうのか」で仕分けると迷わない。主動筋を自分で収縮させて拮抗筋を伸ばすダイナミックストレッチングが、相反神経支配(相反抑制)を利用する方法である。
相反神経支配とは、主動筋の筋紡錘からのIa求心性入力が抑制性介在ニューロンを介して拮抗筋のα運動ニューロンを抑える仕組みで、一方の筋が収縮すると反対側の筋が反射的に緩む。ダイナミックストレッチングは関節を自動運動で反復して大きく動かすため、主動筋の収縮に伴って拮抗筋がこの抑制を受け、伸張されやすくなる。同時に筋温・体温が上がり神経筋の反応性も高まるので、競技前のウォーミングアップとして外傷予防に適する。これに対しスタティックストレッチングは、伸張反射を誘発しない速度でゆっくり伸ばして肢位を保持し、筋・腱の粘弾性の変化と自原抑制(ゴルジ腱器官を介するIb抑制)によって緩める方法で、自ら関節を動かす自動収縮を伴わない。PNFストレッチングは等尺性収縮の後に弛緩させて伸ばす手技が代表で、自原抑制を主体としつつ相反抑制を併用する手技もあるが、いずれも介助者の他動操作を前提とする。本問が問うのは「競技前の外傷予防として自ら関節を動かして行い、相反神経支配を利用する方法」であり、この条件をすべて満たすのはダイナミックストレッチングである。
| 方法 | やり方 | 主に使う神経機序 | 使いどころ |
|---|---|---|---|
| ダイナミック | 自動運動で関節を反復して動かす | 相反神経支配(相反抑制) | 競技前のウォーミングアップ |
| スタティック | 反動なしでゆっくり伸ばし伸張位を保持 | 伸張反射を誘発しない伸張+自原抑制(粘弾性の変化も関与) | 運動後・柔軟性向上 |
| PNF | 等尺性収縮の後に弛緩させて伸ばす | 自原抑制(Ib抑制・ゴルジ腱器官)主体。相反抑制を併用する手技もある | 介助者のもとでの可動域改善 |
| バリスティック | 反動・はずみをつけて伸ばす | 伸張反射を誘発(筋が収縮してしまう) | 損傷リスクが高く一般には推奨されない |
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