学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §20 各論(脱臼) 下肢 / QJ31P096

理由で解く 柔道整復師

QJ31P096 柔道整復理論

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午後 問96
問題
膝蓋骨脱臼で正しいのはどれか。
選択肢
1 男性に多い。
2 内反膝が多い。
3 内側脱臼が多い。
4 自然整復されるものが多い。
解答
正解4(自然整復されるものが多い。)
解説

膝蓋骨脱臼は圧倒的に外側脱臼で、膝を伸ばすと自然に整復されるものが多い。来所時にはすでに戻っていることが少なくない。

膝蓋骨は大腿四頭筋腱と膝蓋腱に挟まれ、Q角に沿って外方へ引かれる力を常に受けている。全身関節弛緩性、外反膝、膝蓋骨高位、大腿骨滑車の形成不全といった素因があると、膝屈曲+下腿外旋の動作で膝蓋骨が外側へ外れる。好発は思春期から若年の女性で、スポーツ中の非接触性の受傷が多い。転倒などで膝が伸びると大腿四頭筋の張力で滑車溝へ戻るため、本人は「膝が外れて戻った」と訴えることが多い。整復されていても内側膝蓋大腿靱帯の損傷による関節血症や内側部の圧痛が残るので、腫脹と圧痛を確認したうえで固定を行い、内側広筋を中心とした大腿四頭筋強化で再脱臼予防につなげる。

✗ 1. 誤り
男性に多い。
女性に多い。骨盤が広くQ角が大きいこと、関節弛緩性が高いことなど、膝蓋骨を外方へ引く条件が女性にそろいやすいためである。
✗ 2. 誤り
内反膝が多い。
素因となるのは外反膝(X脚)である。外反が強いほどQ角が大きくなり、膝蓋骨を外側へ引く分力が増して脱臼しやすくなる。
✗ 3. 誤り
内側脱臼が多い。
大多数は外側脱臼である。大腿四頭筋の合力が外方に向くこと、大腿骨外側滑車縁が低い例があることが理由で、内側脱臼はまれである。
✓ 4. 正しい
自然整復されるものが多い。
膝を伸展すると大腿四頭筋の張力で膝蓋骨が滑車溝へ引き戻されるため、受傷直後にその場で整復されてしまうものが多い。したがって来所時には脱臼位を呈さず、腫脹・関節血症・膝蓋骨内側縁の圧痛と、膝蓋骨を外方へ押すと不安感を訴えるアプリヘンジョンサインが手がかりとなる。整復後も内側膝蓋大腿靱帯損傷や膝蓋骨内側縁・大腿骨外側顆の骨軟骨骨折を伴うことがあるため、腫脹・圧痛を確認し必要に応じて医療機関へ紹介する。
ポイント
  • 圧倒的に外側脱臼。理由は大腿四頭筋の合力が外方へ向くこと(Q角)。
  • 好発は思春期の女性。外反膝・関節弛緩性・膝蓋骨高位・滑車形成不全が素因。
  • 膝伸展で自然整復されやすく、来所時には整復済みのことが多い。
  • 整復済みでもアプリヘンジョンサイン、内側膝蓋大腿靱帯損傷、関節血症、骨軟骨骨折の有無を確認する。
  • 再発予防には内側広筋を中心とした大腿四頭筋強化と装具の使用が有効。
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