学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §20 各論(脱臼) 下肢 / QJ31P095

理由で解く 柔道整復師

QJ31P095 柔道整復理論

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午後 問95
問題
外傷性股関節脱臼の合併症でないのはどれか。
選択肢
1 外反股
2 骨化性筋炎
3 大腿骨頭壊死
4 坐骨神経麻痺
解答
正解1(外反股)
解説

外傷性股関節脱臼で問題になるのは、大腿骨頭壊死・坐骨神経麻痺・骨化性筋炎など。外反股は頸体角の形態異常であり、脱臼の合併症の枠には入らない。

股関節脱臼では、骨頭を養う関節包内の血管(内側大腿回旋動脈由来の支帯動脈など)が牽引・断裂を受けるため、整復が遅れるほど大腿骨頭壊死の危険が高まる。後方脱臼では骨頭が坐骨神経のすぐ前を通過するため坐骨神経麻痺、とくに腓骨神経成分の障害を合併しやすい。また関節周囲の広範な出血・血腫が器質化して骨化性筋炎を生じることもある。一方、外反股は大腿骨頸体角が正常より大きくなった形態のことで、発育の過程や頸部骨折後の変形などで生じるものであり、脱臼そのものの結果として起こる合併症ではない。整復後は下肢のしびれと足関節背屈の可否を確認し、骨頭壊死は数か月〜数年後に現れうるため長期の経過観察が必要であることを患者に伝える。

✓ 1. これが答え(合併症ではない)
外反股
外反股は大腿骨の頸体角が正常より大きくなった形態異常で、発育の過程や大腿骨頸部の骨折後変形などで生じる。外傷性股関節脱臼から直接生じるものではないため、合併症には含まれない。
✗ 2. 合併症に含まれる(答えではない)
骨化性筋炎
脱臼時の関節周囲軟部組織の損傷と血腫が器質化・骨化して生じる。強いマッサージや無理な他動運動は骨化を助長しうるため、可動域練習は疼痛の範囲内で段階的に進める。
✗ 3. 合併症に含まれる(答えではない)
大腿骨頭壊死
骨頭を養う支帯動脈が牽引・断裂を受けるため生じ、整復が遅れるほど発生率が高まる。受傷から数か月〜数年後に股関節痛や跛行として現れることがあり、長期のフォローが必要である。
✗ 4. 合併症に含まれる(答えではない)
坐骨神経麻痺
後方脱臼で骨頭が後方へ転位する際に坐骨神経が圧迫・牽引される。腓骨神経成分が障害されやすく下垂足や下腿外側〜足背の感覚障害を生じるため、整復の前後で必ず足関節背屈と感覚を確認する。
ポイント
  • 代表的合併症は大腿骨頭壊死、坐骨神経麻痺、骨化性筋炎、寛骨臼後縁骨折、後年の変形性股関節症。
  • 骨頭壊死の理由は関節包内を走る支帯動脈の損傷。早期整復が最大の予防策。
  • 坐骨神経麻痺は後方脱臼で多い。足関節背屈と足背の感覚を毎回確認する。
  • 外反股・内反股は頸体角の形態異常であり、脱臼の合併症の分類には入らない。
  • 整復後も長期の経過観察が必要であることを患者に説明しておく。
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