学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §23 各論(軟部組織損傷) 下肢 / QJ30P099

理由で解く 柔道整復師

QJ30P099 柔道整復理論

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午後 問99
問題
病名の組合せで誤っているのはどれか。
選択肢
1 発育性股関節形成不全 ーーオブザベーションヒップ
2 腸脛靱帯炎 一・ランナーズニー
3 下腿三頭筋肉離れ-テニスレッグ
4 第1 MTP 関節変形性関節症-強剛母趾
解答
正解1(発育性股関節形成不全 ーーオブザベーションヒップ)
解説

オブザベーションヒップは小児の一過性股関節炎(単純性股関節炎)を指す語で、発育性股関節形成不全の別名ではありません。誤りは1です。

整形外科の病名には正式名称と通称・俗称が併存するものが多く、国試ではその対応が繰り返し問われます。オブザベーションヒップ(observation hip)は、3〜10歳ころの小児が感冒などのあとに突然股関節痛・跛行を訴え、安静で1〜2週のうちに自然軽快する一過性の滑膜炎で、経過観察でよくなる股関節という語感がそのまま名前になっています。一方、発育性股関節形成不全(DDH)は乳児期に発見される臼蓋形成不全と骨頭の亜脱臼・脱臼で、開排制限や大腿皮膚溝の左右差を手がかりに早期発見し、リーメンビューゲルなどで治療する疾患です。年齢も経過も治療も違うため、名称だけでなく背景の病像ごと結びつけて覚えてください。なお、オブザベーションヒップと臨床像が重なるペルテス病や化膿性股関節炎の除外が実地では重要になります。

✓ 1. これが誤り(=正答)
発育性股関節形成不全 ーーオブザベーションヒップ
オブザベーションヒップは小児の一過性股関節炎(単純性股関節炎)の別称です。発育性股関節形成不全は乳児期に見つかる臼蓋形成不全と骨頭の亜脱臼・脱臼で、両者は別の疾患です。
✗ 2. 正しい組合せ(=答えではない)
腸脛靱帯炎 一・ ランナーズニー
長距離走者に多く、膝屈伸に伴って腸脛靱帯が大腿骨外側上顆と摩擦を起こして生じます。グラスピングテストが陽性となり、走行距離の調整と大腿筋膜張筋・股関節外転筋の柔軟性改善で対応します。
✗ 3. 正しい組合せ(=答えではない)
下腿三頭筋肉離れ-テニスレッグ
中高年がテニスなどで踏み込んだ際に、腓腹筋内側頭の筋腱移行部が損傷するものです。「後ろから殴られた」ような衝撃を訴えるのが典型です。
✗ 4. 正しい組合せ(=答えではない)
第1 MTP 関節変形性関節症-強剛母趾
第1中足趾節関節の変形性関節症により背屈が制限され、蹴り出しで痛みが出ます。母趾が外反する外反母趾とは変形の性質が異なる点に注意します。
ポイント
  • オブザベーションヒップ=小児の一過性(単純性)股関節炎。安静で1〜2週のうちに自然軽快する。
  • 発育性股関節形成不全(DDH)=乳児期の臼蓋形成不全と骨頭の亜脱臼・脱臼。開排制限が手がかり。
  • ランナーズニー=腸脛靱帯炎。大腿骨外側上顆部での摩擦が原因。
  • テニスレッグ=腓腹筋内側頭の肉離れ。中高年の踏み込み動作で発生。
  • 強剛母趾=第1MTP関節の変形性関節症。背屈制限が主症状で、外反母趾とは区別する。
  • 小児の股関節痛では、ペルテス病・大腿骨頭すべり症・化膿性股関節炎を除外する必要があるため、発熱や持続する跛行がある場合は医師へ紹介する。
比較表
正式名称通称要点
一過性(単純性)股関節炎オブザベーションヒップ3〜10歳。安静で自然軽快
発育性股関節形成不全(先天性股関節脱臼)乳児期。開排制限、リーメンビューゲル
腸脛靱帯炎ランナーズニー膝外側。グラスピングテスト
腓腹筋内側頭肉離れテニスレッグ中高年。踏み込みで受傷
第1MTP関節変形性関節症強剛母趾背屈制限、蹴り出し時痛
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