学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §23 各論(軟部組織損傷) 下肢 / QJ30P098
理由で解く 柔道整復師
鼡径部痛症候群は特定の一組織の損傷名ではなく、鼠径周辺の複数の要因が絡む症候群です。「股関節唇の損傷である」と限定した2が誤りです。
鼡径部痛症候群(グロインペイン症候群)は、サッカーなど下肢の切り返しやキック動作を繰り返す競技で多くみられる、鼠径部周辺の慢性疼痛の総称です。長内転筋など内転筋群の近位付着部、恥骨結合とその周囲、腸腰筋、腹直筋下部付着部、鼠径管周囲などが複合的に関与し、単一の病巣に還元できないことがこの症候群の本質です。背景には体幹・骨盤の安定性低下、股関節の可動域制限、内転筋と腹筋群の筋力バランスの崩れがあり、そのため治療も局所への処置だけでなく、体幹と股関節周囲の機能を立て直す運動療法が中心となります。なお股関節唇損傷は、大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)などに伴って生じる関節内病変で、鼠径部痛の鑑別疾患ではあっても、鼡径部痛症候群と同一のものではありません。
| 項目 | 鼡径部痛症候群 | 股関節唇損傷(FAI関連) |
|---|---|---|
| 病巣 | 複数(内転筋付着部・恥骨結合・腸腰筋・腹壁など) | 関節内の関節唇 |
| 疼痛の場所 | 鼠径部から内転筋近位にかけて広がる | 鼠径部深部。Cサインで示されることが多い |
| 誘発 | 抵抗下の内転、体幹の屈曲・回旋 | 股関節屈曲・内転・内旋(インピンジメントテスト) |
| 治療 | 運動療法中心の保存療法 | 保存療法で難治なら鏡視下手術 |
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