学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §23 各論(軟部組織損傷) 下肢 / QJ29P107

理由で解く 柔道整復師

QJ29P107 柔道整復理論

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午後 問107
問題
骨棘ができるのはどれか。
選択肢
1 外脛骨
2 足根洞症候群
3 腓骨筋腱脱臼
4 衝突性外骨腫
解答
正解4(衝突性外骨腫)
解説

骨棘は繰り返す機械的刺激に対する骨の増殖反応。足関節前方で脛骨と距骨が衝突を繰り返してできるのが衝突性外骨腫である。

衝突性外骨腫(足関節前方インピンジメント、いわゆるフットボーラーズアンクル)は、キック動作や踏み込みで足関節の過度の背屈・底屈が繰り返され、脛骨遠位の前縁と距骨頸部が繰り返しぶつかることで、その両側に骨棘が形成される障害である。症状は背屈時の足関節前方の痛みと可動域制限で、深くしゃがみ込めない、踏み込みで前が詰まる、といった訴えになる。サッカーやバレエなど足関節に反復した背屈負荷がかかる競技者にみられる。これに対し外脛骨は舟状骨内側にみられる過剰骨(副骨)であり、生まれつきの形態変異である点で、後天的な増殖反応である骨棘とは成り立ちが違う。この違いが区別の要点になる。

✓ 4. 正しい
衝突性外骨腫
足関節前方で脛骨遠位前縁と距骨頸部が繰り返し衝突し、その刺激に対する反応として骨棘が形成される。背屈で足関節前方が痛む、深くしゃがめないといった訴えにつながる。誘因となる動作の量を調整しつつ、足関節周囲の柔軟性と動きの質を整えることが基本になる。
✗ 1. 誤り
外脛骨
舟状骨内側にみられる過剰骨(副骨)で、後脛骨筋腱の付着部付近の骨化核が独立したまま残ったもの。生まれつきの形態変異であり、刺激に応じて新生する骨棘とは成り立ちが異なる。有痛性になると内側の突出部に圧痛が出る。
✗ 2. 誤り
足根洞症候群
距骨下関節の外側にある足根洞の中で、足関節捻挫後の瘢痕形成や滑膜炎により疼痛と不安定感が続く病態。骨の増殖が本態ではなく、外果前下方の足根洞入口部の圧痛が手がかりになる。
✗ 3. 誤り
腓骨筋腱脱臼
上腓骨筋支帯が破れて腓骨筋腱が外果の後方から前方へ乗り越えてしまう損傷。外果後縁の骨性剥離を伴うことはあるが、骨棘の形成が問題となる疾患ではない。
ポイント
  • 骨棘=繰り返す機械的刺激に対する後天的な骨の増殖反応。過剰骨(副骨)とは成り立ちが違う。
  • 衝突性外骨腫は脛骨遠位前縁と距骨頸部の衝突で骨棘が形成される。背屈時の前方痛としゃがみ込み制限が特徴。
  • 外脛骨は舟状骨内側の過剰骨。後脛骨筋腱の牽引で有痛性になることがある。
  • 足根洞症候群は捻挫後の瘢痕・滑膜炎による疼痛と不安定感で、骨の変化が本態ではない。
  • 腓骨筋腱脱臼は上腓骨筋支帯の破綻。外果後方で腱が前方へ跳ぶ弾発が手がかり。
比較表
疾患本態骨棘の形成
衝突性外骨腫脛骨遠位前縁と距骨頸部の反復する衝突あり(本態)
外脛骨舟状骨内側の過剰骨(先天的な形態変異)なし(骨棘ではない)
足根洞症候群足根洞内の瘢痕形成・滑膜炎なし
腓骨筋腱脱臼上腓骨筋支帯の破綻による腱の逸脱なし(骨性剥離を伴うことはある)
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