学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §23 各論(軟部組織損傷) 下肢 / QJ30P100

理由で解く 柔道整復師

QJ30P100 柔道整復理論

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午後 問100
問題
シンスプリントで誤っているのはどれか。
選択肢
1 骨膜に炎症が生ずる。
2 脛骨内側に好発する。
3 扁平足は誘因となる。
4 単純エックス線像で異常がみられる。
解答
正解4(単純エックス線像で異常がみられる。)
解説

シンスプリントは単純エックス線像では通常異常を認めません。誤りは4です。

シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎、MTSS)は、ランニングやジャンプの繰り返しにより、脛骨後内側縁に付着するヒラメ筋・後脛骨筋・長趾屈筋や深部筋膜が骨膜を牽引し、骨膜に炎症が生じるものです。痛みは脛骨遠位1/3の後内側縁に沿って広い範囲にびまん性に出るのが特徴で、この点が限局性の圧痛を示す疲労骨折と対照的です。骨自体の連続性は保たれているため、単純エックス線像では基本的に異常が写らず、必要ならMRIやシンチグラフィで骨膜・骨髄の変化をとらえます。逆にいえば、単純エックス線で仮骨形成や骨膜反応、骨皮質の透亮像が認められた場合は疲労骨折を考えるべきで、その判断が本問の学習上のねらいです。

✓ 4. これが誤り(=正答)
単純エックス線像で異常がみられる。
シンスプリントでは骨皮質の連続性は保たれており、単純エックス線像では通常異常を認めません。所見が現れた場合はむしろ脛骨疲労骨折を疑い、医師の診察につなぎます。
✗ 1. 正しい記述(=答えではない)
骨膜に炎症が生ずる。
ヒラメ筋・後脛骨筋・長趾屈筋および深部筋膜による牽引が繰り返され、脛骨後内側縁の骨膜に炎症が生じます。名称のとおり過労性骨膜炎です。
✗ 2. 正しい記述(=答えではない)
脛骨内側に好発する。
脛骨遠位1/3の後内側縁に沿って、5cm以上にわたるびまん性の圧痛を示すのが典型です。圧痛の広がり方が脛骨疲労骨折との鑑別のポイントになります。
✗ 3. 正しい記述(=答えではない)
扁平足は誘因となる。
扁平足(回内足)では着地時に足部が過度に回内し、後脛骨筋などへの牽引ストレスが増します。硬い路面、走行距離の急増、シューズの劣化なども誘因です。足部アーチを支える足底挿板や後脛骨筋・足内在筋の強化が予防につながります。
ポイント
  • 正式には脛骨過労性骨膜炎(MTSS)。脛骨遠位1/3の後内側縁に好発する。
  • ヒラメ筋・後脛骨筋・長趾屈筋、深部筋膜の牽引による骨膜の炎症が本態。
  • 圧痛は広範囲でびまん性。単純エックス線像では通常異常なし。
  • 限局性の圧痛や叩打痛、単純エックス線での骨膜反応があれば疲労骨折を疑い医師へ紹介する。
  • 誘因は扁平足・回内足、硬い路面、練習量の急増、シューズの不適合。足底挿板、練習量の調整、足部・下腿の柔軟性と筋力の改善で対応する。
比較表
項目シンスプリント脛骨疲労骨折
圧痛後内側縁に沿って広範・びまん性限局性(一点に集中)
叩打痛・音叉試験乏しい陽性のことが多い
単純エックス線通常異常なし骨膜反応・仮骨・透亮像
疼痛の経過運動開始時に痛み、動くと軽減することがある運動により増悪し、安静時痛も出る
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