学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 必修問題 ▸ §19 肘関節後方脱臼の診察および整復 / QJ30A021
理由で解く 柔道整復師
肘関節後方脱臼の整復は、肘を軽度屈曲位・前腕回外位とし、前腕の長軸方向へ牽引して鉤状突起を滑車の前方へ戻すのが基本です。過伸展させる操作は行いません。
後方脱臼は、肘を伸展位にして手をついた際に、尺骨鉤状突起が上腕骨滑車を後方へ乗り越え、前腕が後上方へ転位して起こります。整復では助手が上腕を把持して逆牽引をかけ、術者は前腕近位部を持って長軸方向に持続的な牽引を加えながら、肘頭を前遠位方向へ押し、同時に肘を徐々に屈曲していきます。このとき肘を軽度屈曲位・前腕回外位に保つと上腕二頭筋や前方関節包の緊張が減り、鉤状突起が滑車を乗り越えやすくなります。整復されると弾発性固定が消失し、内側上顆・外側上顆・肘頭がつくるヒューター三角が正常な二等辺三角形に戻り、自動での屈伸と前腕回内外が可能になります。確認のために肘を過伸展させると、前方の関節包や上腕動脈・正中神経・尺骨神経を痛めたり再脱臼を招くおそれがあるため、可動域の確認は愛護的な範囲にとどめます。整復後は肘関節屈曲90度前後で固定し、末梢の循環・知覚・運動を必ず確認したうえで、骨折の合併を否定するため医師の画像評価につなげます。
| 操作の要素 | 行うこと | 避けること |
|---|---|---|
| 肘の肢位 | 軽度屈曲位から開始し、牽引しながら屈曲を加える | 伸展位のまま牽引する |
| 前腕の肢位 | 回外位 | 回内位・回内回外中間位 |
| 牽引 | 前腕長軸方向へ持続牽引(上腕は逆牽引で固定) | 短時間の急激な牽引 |
| 整復の確認 | 弾発性固定の消失、ヒューター三角の正常化、愛護的な自動屈伸 | 過伸展を強いる確認 |
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