学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §18 肩関節烏口下脱臼の固定 / QJ30A020

理由で解く 柔道整復師

QJ30A020 必修問題

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午前 問20
問題
肩関節烏口下脱臼の固定で用いるのはどれか。
選択肢
1 麦穂帯
2 8字帯
3 セイヤー絆創膏固定
4 ハンギングキャスト
解答
正解1(麦穂帯)
解説

肩関節烏口下脱臼の整復後は上腕を内転・内旋位で体幹に保持する。この肢位を保つのに用いるのが麦穂帯(肩関節部)で、正答は1。

烏口下脱臼は骨頭が関節窩の前下方へ移動した状態で、整復後は関節包の損傷部が引き伸ばされない肢位、すなわち上腕を内転・内旋位にして体幹に密着させて保持する。肩関節部の麦穂帯は肩から上腕にかけて8の字を描くように交互に巻き上げる包帯法で、肩の外転・外旋を制限できるためこの目的に適する。三角巾による提肘やデゾー包帯を併用することも多い。固定期間中も肘・手関節・手指の運動は続け、固定除去後は段階的に肩の可動域と腱板・肩甲帯の筋力を戻していく。

✓ 1. 正しい
麦穂帯
肩関節部を8の字状に巻き上げ、上腕の内転・内旋位を保持する包帯法。肩関節脱臼整復後の固定に適する。
✗ 2. 誤り
8字帯
背部で8の字を描いて両肩を後方へ引く固定で、鎖骨骨折に用いる。肩関節の内転・内旋保持には向かない。
✗ 3. 誤り
セイヤー絆創膏固定
鎖骨骨折に対して複数本の絆創膏で骨片を保持する固定法で、適応が異なる。
✗ 4. 誤り
ハンギングキャスト
上腕にギプスを巻き、その重さで持続的に牽引をかける上腕骨骨幹部骨折の固定法。脱臼後の内転・内旋位保持とは目的が違う。
ポイント
  • 肩関節烏口下脱臼=骨頭が関節窩の前下方へ。整復後は内転・内旋位で体幹に固定
  • 固定には肩関節部麦穂帯を用いる(三角巾での提肘やデゾー包帯を併用)
  • 8字帯・セイヤー絆創膏固定は鎖骨骨折の固定法
  • ハンギングキャストは上腕骨骨幹部骨折で自重牽引をかける方法
  • 固定中も肘・手指の運動を継続し、除去後は段階的に肩の可動域・筋力を回復させる
比較表
固定法主な適応効かせ方
麦穂帯(肩関節部)肩関節脱臼整復後(正答1)上腕を内転・内旋位で体幹に保持
8字帯鎖骨骨折両肩を後方へ引いて短縮を防ぐ
セイヤー絆創膏固定鎖骨骨折絆創膏で骨片を圧迫・保持
ハンギングキャスト上腕骨骨幹部骨折ギプスの自重で持続牽引
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