学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §18 肩関節烏口下脱臼の固定 / QJ31A018

理由で解く 柔道整復師

QJ31A018 必修問題

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午前 問18
問題
肩関節烏口下脱臼の固定で正しいのはどれか。
選択肢
1 高齢者では5~6週固定する。
2 副子は肩関節外側面に当てる。
3 肩関節軽度屈曲・内旋位で固定する。
4 肩関節から MP 関節手前まで固定する。
解答
正解3(肩関節軽度屈曲・内旋位で固定する。)
解説

肩関節烏口下脱臼の整復後は、上腕を体幹に密着させた肩関節軽度屈曲・内転・内旋位で固定する。

烏口下脱臼は骨頭が前下方へ逸脱した状態で、外転・外旋・伸展が再脱臼を誘発する肢位となる。したがって固定は、これと反対の軽度屈曲・内転・内旋位に上腕を保ち、肘関節90度屈曲位として三角巾と包帯で上肢を体幹に一体化させる。固定期間は損傷した関節包・関節唇の修復に必要な期間を確保する一方、拘縮を起こしやすい高齢者では短めに設定し、若年者ほど長めにとる。固定中も手指・手関節・肘の自動運動は続けさせ、腋窩神経領域の感覚と末梢循環を確認する。固定除去後は外転・外旋を強制しない範囲から可動域訓練を始め、肩甲帯と回旋筋腱板の筋力強化へつなげる。

✓ 3. 正しい
肩関節軽度屈曲・内旋位で固定する。
再脱臼肢位である外転・外旋・伸展を避ける肢位。内転を加えて上腕を体幹に密着させ、肘は90度屈曲位とする。
✗ 1. 誤り
高齢者では5~6週固定する。
高齢者は肩関節拘縮(凍結肩)を起こしやすく、5〜6週の固定は長すぎる。若年者より短い固定とし、早期から可動域訓練へ移行する。
✗ 2. 誤り
副子は肩関節外側面に当てる。
固定の要点は上腕を体幹に密着させて内転・内旋位を保つことにあり、肩の外側面に副子を当てる方法はとらない。腋窩に枕子を入れ、上肢を体幹と一体に保持する。
✗ 4. 誤り
肩関節から MP 関節手前まで固定する。
手関節から先まで固定範囲を広げる必要はない。手指・手関節は自由に動かせるようにして、浮腫と拘縮を防ぐ。
ポイント
  • 再脱臼肢位は外転・外旋・伸展。固定はその反対の軽度屈曲・内転・内旋位。
  • 肘は90度屈曲位とし、三角巾と包帯で上肢を体幹に密着させる。
  • 固定期間は若年者ほど長く、高齢者は拘縮予防のため短めにする。
  • 手指・手関節・肘の自動運動は固定中も継続する。
  • 腋窩神経領域の感覚と末梢循環を経過中に確認する。
比較表
項目正しい対応避けるべき対応
肩関節の肢位軽度屈曲・内転・内旋位外転・外旋・伸展位
固定の方法上腕を体幹に密着、腋窩に枕子肩外側面に副子を当てる
固定範囲手指・手関節は自由MP関節手前まで覆う
高齢者の固定期間短めにして早期に訓練へ5〜6週の長期固定
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