学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §19 肘関節後方脱臼の診察および整復 / QJ31A019

理由で解く 柔道整復師

QJ31A019 必修問題

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午前 問19
問題
高所からの転落で肘に激しい腫脹と疼痛がある場合、最初に評価すべきでないのはどれか。
選択肢
1 手指は動くか。
2 圧痛はどこか。
3 橈骨動脈は触知できるか。
4 肘関節可動域はどの程度か。
解答
正解4(肘関節可動域はどの程度か。)
解説

激しい腫脹を伴う急性期に、まず可動域を測る必要はない。優先すべきは末梢循環・神経機能・圧痛部位の確認である。

高所からの転落で肘に激しい腫脹と疼痛がある場合、上腕骨顆上骨折や肘関節脱臼など、上腕動脈・正中神経の損傷やコンパートメント症候群(Volkmann拘縮)につながる外傷を念頭に置く必要がある。初期評価では、橈骨動脈の拍動や手指の色調・温度といった末梢循環、手指の自動運動と感覚といった神経機能、そして限局性圧痛や変形による損傷部位の推定を優先する。可動域を確かめようと関節を動かせば、骨片や関節が動いて出血と腫脹が増し、血管・神経の損傷を悪化させる恐れがある。この場面では患肢を安静な肢位で固定して挙上し、疼痛・蒼白・脈拍消失・感覚異常・運動麻痺の5徴候を経時的に確認しながら、速やかに医師の診察につなぐ。

✓ 4. これが答え(最初に評価するものではない)
肘関節可動域はどの程度か。
急性期に関節を動かして可動域を測ると転位や出血が増し、血管・神経損傷を悪化させうる。可動域の評価は損傷の全体像が把握され、安全が確認された後に行う。
✗ 1. 最初に評価すべき(答えではない)
手指は動くか。
正中・尺骨・橈骨神経の機能確認。関節を動かさずに評価でき、麻痺の早期発見につながる。
✗ 2. 最初に評価すべき(答えではない)
圧痛はどこか。
限局性圧痛の部位から損傷部位を推定できる。強く押さず、必要最小限の触診で確認する。
✗ 3. 最初に評価すべき(答えではない)
橈骨動脈は触知できるか。
末梢循環の確認であり、最優先項目の一つ。拍動の減弱・消失は緊急性を示す。
ポイント
  • 肘の高度腫脹+高所転落では、上腕動脈・正中神経損傷とコンパートメント症候群を想定する。
  • 初期評価の優先順位は 末梢循環 → 神経機能 → 損傷部位の推定。
  • 可動域測定は急性期には行わず、安全が確認された後に実施する。
  • 5徴候(疼痛・蒼白・脈拍消失・感覚異常・運動麻痺)を経時的に確認する。
  • 患肢を安静肢位で固定・挙上し、速やかに医師の診察につなぐ。
比較表
優先度評価項目理由
最優先橈骨動脈拍動・手指の色調と温度血行障害は時間との勝負になる
最優先手指の自動運動・感覚神経損傷の早期発見。関節を動かさず評価できる
次に限局性圧痛・変形の確認損傷部位の推定
後で肘関節可動域急性期に行うと転位・出血・神経血管損傷を悪化させうる
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