学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ29P116
理由で解く 柔道整復師
母指MP関節背側脱臼の整復は、まず脱臼肢位である過伸展をさらに強めることから始める。先に牽引を加えると掌側板や種子骨が関節内に嵌まり込み、整復が難しくなる。
母指が外転・伸展を強制されると掌側板が中手骨頭から剝がれ、基節骨基部が中手骨頭の背側へ移動する。MP関節は過伸展、IP関節は屈曲となり、Z字型変形と弾発性固定を示す。整復の要点は、基節骨基部と中手骨頭の接触を最後まで離さないことである。まず過伸展を強めて基節骨基部を中手骨頭の背側面に押し当て、その接触を保ったまま基節骨基部を遠位・掌側へ滑らせるように屈曲させると、掌側板を巻き込まずに関節面が戻る。ここで長軸方向に強く牽引すると、中手骨頭と基節骨の間に掌側板・種子骨・長母指屈筋腱が入り込んで嵌頓し、徒手整復が困難な状態になる。整復後は掌側板の修復のためMP関節軽度屈曲位で固定し、過伸展を避けながら経過をみる。
| 順序 | 操作 | ねらい |
|---|---|---|
| 1 | 過伸展を強める | 基節骨基部を中手骨頭の背側面に接触させる |
| 2 | 接触を保ったまま長軸方向に軽く圧を加える | 関節面を離開させず、軟部組織の嵌入を防ぐ |
| 3 | 基節骨基部を遠位・掌側へ滑らせながら屈曲 | 中手骨頭を乗り越えさせて整復する |
| 避けたい操作 | 最初に強い末梢牽引をかける | 掌側板・種子骨・屈筋腱が嵌頓し整復困難となる |
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