学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ29P115

理由で解く 柔道整復師

QJ29P115 柔道整復理論

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午後 問115
問題
38歳の女性。3か月前からウォーキングを毎日2時間行っている。 5日前から右足背に疼痛と腫脹があり来所した。考えられるのはどれか。
選択肢
1 ジョーンズ(Jones) 骨折
2 第2ケーラー(Köhler)病
3 フランスヒール骨折
4 行軍骨折
解答
正解4(行軍骨折)
解説

毎日2時間のウォーキングという反復負荷のあとに足背の疼痛と腫脹が出現した経過から、中足骨骨幹部の疲労骨折である行軍骨折を考える。

行軍骨折は長距離の歩行や行軍によって第2・第3中足骨の骨幹部に生じる疲労骨折で、名称のとおり軍隊の行軍で多発したことに由来する。運動習慣を新しく始めた人や、急に歩行量を増やした人にも起こり、年齢は問わない。症状は足背の疼痛と腫脹で、圧痛は骨幹部に限局し、叩打痛や介達痛を認めることが多い。疲労骨折であるため初期の単純エックス線写真では所見に乏しく、2〜3週後に骨膜反応として現れる。対応としては、歩行量を一時的に減らして局所の安静を保ち、限局性圧痛の部位を確認したうえで、画像による確認のため医師の受診を勧める。復帰は痛みの消退と歩行量の段階的な再開に合わせて進める。

✓ 4. 該当する(設問の答え)
行軍骨折
長時間の歩行を毎日繰り返したという負荷歴と、足背の疼痛・腫脹という部位・症状が一致する。第2・第3中足骨骨幹部の疲労骨折で、これが最も考えられる。
✗ 1. 該当しない
ジョーンズ(Jones) 骨折
第5中足骨近位部の疲労骨折で、症状は足の外側部に出る。ジャンプや方向転換の多い競技者に多く、本例の「足背」という部位と合わない。
✗ 2. 該当しない
第2ケーラー(Köhler)病
フライバーグ病とも呼ばれる第2中足骨骨頭の骨端症で、10歳代の女子に好発する。38歳では骨端線がすでに閉鎖しており、疼痛部位も中足骨頭(MP関節部)であるため本例には当てはまらない。
✗ 3. 該当しない
フランスヒール骨折
踵骨後上方がアキレス腱に引かれて生じる鴨嘴状(アヒルのくちばし状)の裂離骨折で、疼痛と変形は踵部に現れる。足背に症状が出る本例とは部位が異なる。
ポイント
  • 行軍骨折=第2・第3中足骨骨幹部の疲労骨折。長距離歩行・急な歩行量増加で発症。
  • 症状は足背の疼痛・腫脹と骨幹部に限局した圧痛・叩打痛。
  • 初期のエックス線では所見に乏しく、2〜3週後に骨膜反応が出る。
  • 鑑別は部位で切る。外側=ジョーンズ骨折、中足骨頭=第2ケーラー病、踵部=フランスヒール骨折。
  • 対応は歩行量の一時的な減量と局所安静、医師による画像確認、段階的な活動再開。
比較表
疾患部位好発・機序
行軍骨折第2・第3中足骨骨幹部(足背)長距離歩行の反復による疲労骨折
ジョーンズ骨折第5中足骨近位部(足外側)踏み込み・方向転換の反復。競技者に多い
第2ケーラー病(フライバーグ病)第2中足骨骨頭10歳代女子に好発する骨端症
フランスヒール骨折踵骨後上方(踵部)アキレス腱の牽引による鴨嘴状の裂離骨折
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