学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ29P110
理由で解く 柔道整復師
腕相撲では上腕骨に長軸まわりの強い捻り(捻転力)が加わる。捻転力で生じる骨折型は螺旋状骨折である。
骨折の型は、加わった外力の種類でほぼ決まる。柔道整復学では外力の働き方を屈曲力・圧迫力・剪断力・捻転力・牽引力に分け、屈曲力は横骨折(第3骨片を伴うことがある)、圧迫力は斜骨折・縦骨折・噛合骨折・陥凹骨折、剪断力は横骨折、捻転力は螺旋状骨折、牽引力は裂離骨折を生じるとされる。上腕骨骨幹部は、前腕を介して長軸まわりの捻転力を受けると骨折線がらせんを描く螺旋状骨折となり、好発部位は中1/3〜下1/3である。腕相撲や投球で起こる典型的な介達外力の骨折で、直接ぶつけていないのに折れるのが特徴である。受傷時の「バキッ」という断裂音、限局性圧痛、腫脹はいずれも骨折を強く疑う所見であり、続いて異常可動性・軋轢音・転位による変形を慎重に確認する。とくに上腕骨中下1/3では橈骨神経が骨面に密着して走るため、下垂手や手背橈側のしびれの有無を必ず調べる(合併しやすいホルスタイン・ルイス骨折)。上腕を副子と三角巾で安静に保ち、速やかに医療機関へ紹介する。
| 骨折型 | 主な外力(働き方) | 骨折線 | 代表的な例 |
|---|---|---|---|
| 螺旋状骨折 | 捻転力 | らせん状に骨を取り巻く | 腕相撲・投球による上腕骨骨幹部骨折 |
| 斜骨折 | 圧迫力(長軸方向) | 長軸に斜め | 圧迫力で生じる骨折の代表 |
| 横骨折 | 屈曲力・剪断力 | 長軸にほぼ直角 | 屈曲力では第3骨片(蝶形骨片)を伴うことがある |
| 縦骨折 | 圧迫力(長軸方向) | 長軸方向 | まれ |
| 噛合骨折・陥凹骨折 | 圧迫力 | 骨片が噛み合う/陥凹する | 骨端部の圧迫、頭蓋骨の陥凹 |
| 裂離骨折 | 牽引力 | 腱・靱帯付着部が引き離される | 上腕骨内側上顆、第5中足骨粗面 |
※上表は外力の種類(働き方)による分類である。これとは別に、外力の伝達経路による分類として直達外力・介達外力があり、両者は別の軸なので1つにまとめない。本症例は「捻転力」が「介達外力」として伝わって生じた螺旋状骨折にあたる。
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