学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ29P111
理由で解く 柔道整復師
肘外反強制で内側部に圧痛・腫脹があり屈伸が制限されるのは、上腕骨内側上顆の裂離骨折の像である。外反肘は外顆骨折の後遺症として有名で、内側上顆の損傷からは生じにくい。
設問は「後遺症で生じにくいのはどれか」という否定形なので、選択肢のうち3つは実際に起こりうる後遺症であり、残る1つが答えになる。肘が外反を強制されると、内側側副靱帯と前腕屈筋・回内筋群の共同起始が内側上顆を強く牽引し、裂離骨折を起こす。本症例は骨端核が存在する成長期の小児であり、内側上顆は関節面をつくらない牽引骨端(骨端核の出現後・骨端線癒合前)であるため、外反強制で裂離しやすい。骨片が関節内へ嵌入すると屈伸が高度に制限され、軋轢音も触れる。この骨折で問題になる後遺症は、内側上顆のすぐ後方の尺骨神経溝を走る尺骨神経の麻痺(受傷から年余を経て現れる遅発性のこともある)、血腫や瘢痕・長期固定による肘関節の伸展制限(屈曲拘縮)、骨片の転位や関節内の癒着による前腕回旋制限である。一方、外反肘は上腕骨外顆骨折が偽関節・遷延癒合となり外側の支柱が失われたときに生じる変形であり、内反肘は顆上骨折後の代表的な変形である。成長期の肘外傷は骨端核が絡み評価が難しいので、必ず医療機関でエックス線を含めた評価を受けるよう手配する。
| 骨折部位 | 典型的な受傷機転 | 代表的な後遺変形 | 神経障害 |
|---|---|---|---|
| 上腕骨内側上顆骨折 | 肘外反強制(牽引力による裂離) | 伸展制限・回旋制限 | 尺骨神経麻痺(遅発性もある) |
| 上腕骨外顆骨折 | 肘内反・手をついて | 外反肘(偽関節時) | 遅発性尺骨神経麻痺 |
| 上腕骨顆上骨折 | 伸展位で手をついて | 内反肘 | 正中神経・橈骨神経障害、フォルクマン拘縮 |
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